採用パンフレットの制作を検討している採用担当者に向けて、掲載すべき内容と制作手順、費用目安をまとめました。何を載せるかを決めずに発注すると、会社案内と変わらない内容になりがちです。
新卒採用パンフレットとは?会社案内・採用サイトとの違い
新卒採用パンフレットとは、新卒採用に特化して作られる紙・デジタルの案内物です。会社案内・採用サイトと役割が重なるようで、実は目的も読者も異なります。
| 目的 | 主な読者 | 情報の深さ | 利用シーン | |
|---|---|---|---|---|
| 会社案内 | 会社全体の情報開示 | 取引先・株主等 | 事業・沿革中心 | 名刺代わり・IR |
| 採用サイト | 志望度醸成・比較検討支援 | 応募検討中の学生 | 随時更新できる | オンラインでの比較検討 |
| 採用パンフレット | 説明会・選考での手渡し | 参加した学生・その家族 | 手元に残る形で凝縮 | 説明会・選考・内定後 |
採用パンフレットの最大の特徴は、手元に残ることです。採用サイトはその場を離れると見返されにくい一方、パンフレットは持ち帰って読み返してもらえます。
新卒採用でパンフレットが必要な理由・メリット
採用パンフレットが必要な理由は、説明会後の記憶定着・家族への共有・ミスマッチ防止の3つです。
- 説明会後の記憶定着:口頭で聞いた内容は時間とともに薄れますが、パンフレットがあれば後から見返せます
- 家族への共有(オヤカク対策):学生が家族に会社を説明する際、パンフレットがあると伝えやすくなります。就活生の保護者のうち46.2%が、就職活動について子どもから連絡を受けた経験があるという調査結果もあります。
- ミスマッチ防止:仕事内容・待遇を具体的に示すことで、入社後のギャップを減らせます
出典:「2025年度 就職活動に対する保護者の意識調査」(マイナビ キャリアリサーチLab/2026年9月25日取得)
新卒採用パンフレットに掲載すべき内容
採用パンフレットに掲載すべき内容は、次の5項目です。掲載順の目安は、会社概要から始め、学生が知りたい実務的な情報へと進める構成です。
- 会社概要・企業理念
- 事業内容・仕事内容
- 社員インタビュー・1日のスケジュール
- キャリアパス・研修制度
- 福利厚生・待遇・募集要項
会社概要・企業理念
会社概要は基本情報を簡潔に、企業理念は具体的なエピソードを添えて伝えます。理念だけを抽象的に並べても、学生には印象に残りません。
事業内容・仕事内容
事業内容は、学生が具体的な働くイメージを持てるように書きます。専門用語を並べるのではなく、「誰の・どんな課題を・どう解決しているか」を平易に説明してください。
社員インタビュー・1日のスケジュール
社員インタビューと1日のスケジュールは、学生の関心が特に高いコンテンツです。若手社員の声を中心に、入社何年目の視点かを明記すると説得力が増します。
キャリアパス・研修制度
キャリアパスは、入社後の成長イメージを示すコンテンツです。具体的な年次・役割の変化を示すと、学生が数年後の自分を想像しやすくなります。
福利厚生・待遇・募集要項
福利厚生・待遇は、数字で示せる情報を整理して掲載します。曖昧な表現を避け、具体的な制度名・日数・金額で示すと信頼性が上がります。
採用パンフレット制作の4ステップ
採用パンフレットの制作は、「目的・ターゲット設定→構成・原稿作成→デザイン→印刷・デジタル化」の4ステップで進めます。
1. 目的・ターゲットの設定:配布シーンと届けたい学生像を決める2. 構成・原稿の作成:掲載内容の章で示した項目をもとにページ割りと原稿を作る3. デザイン制作:トンマナを統一し、内製か外注かを判断する4. 印刷・デジタル化:部数と納期を決め、デジタル配布の準備も行う
①目的・ターゲットの設定
まず、配布シーン(説明会・選考中・内定後)と、届けたい学生像を決めます。採用ペルソナとして具体化しておくと、次のステップで載せる内容がぶれません。
②構成・原稿の作成
構成は、前述の掲載内容をもとにページ割りを決めてから原稿を作ります。社員インタビューは、対象者の選定と質問項目の準備に時間がかかるため、早めに着手してください。
③デザイン制作
デザインは、採用ブランディングで決めたトンマナと統一することが重要です。採用サイトと違うトーンのパンフレットを配ると、学生に一貫性のない印象を与えます。内製(デザインツールの活用)か外注かは、社内にデザインリソースがあるかどうかで判断してください。
④印刷・デジタル化
印刷部数は、配布予定枚数に予備を加えた数で決めます。あわせて、PDF・電子ブック化して採用サイトやQRコードから配布できるようにしておくと、紙を切らしても対応できます。
利用シーン別の使い分け(説明会・面接・内定後)
採用パンフレットに求められる役割は、配布するシーンによって変わります。
| シーン | 求められる役割 |
|---|---|
| 説明会配布用 | 第一印象の形成・記憶の定着 |
| 選考中フォロー用 | 志望度の維持・不安の解消 |
| 内定後の家族共有用 | 家族への説明材料・入社後の安心材料 |
同じ内容を全シーンで使い回すのではなく、配布シーンごとに強調するページを変える工夫が効果的です。
紙とデジタル(PDF・電子ブック)の使い分け
紙とデジタルは、それぞれ向いている場面が異なります。
| 紙 | デジタル(PDF・電子ブック) | |
|---|---|---|
| 配布のしやすさ | 対面でその場で渡せる | QRコード・採用サイト経由で配布できる |
| 更新のしやすさ | 印刷し直しが必要 | 差し替えがしやすい |
| 保管・見返しやすさ | 手元に残りやすい | スマートフォンでいつでも見返せる |
説明会では紙、その後のフォローではデジタルという使い分けが実務的です。印刷したパンフレットの内容をPDF化し、採用サイトからもダウンロードできるようにしておくと、両方の利点を活かせます。
制作費用の目安(内製・外注)
制作費用は、内製か外注か、外注する場合はどこまで依頼するかで大きく変わります。外注の場合の費用目安を整理しました(印刷数500〜1,000部・A4サイズが前提)。
| 種類 | ページ数 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 中綴じ印刷(企画・デザイン・ライティング・印刷・製本込み) | 8ページ | 85万〜100万円 |
| 中綴じ印刷(同上) | 12ページ | 125万〜145万円 |
| A4両面フルカラー(簡易版) | 8ページ | 40.8万円 |
| A4両面フルカラー(簡易版) | 12ページ | 58.8万円 |
出典:「採用パンフレットの制作相場はどのくらい?採用パンフレット制作会社まとめ」(HR NOTE/公式記事・2026年9月25日取得)
内製の場合は、印刷実費とデザインツールの利用料が中心で、外注より大幅に費用を抑えられます。ただし社員インタビューの撮影・原稿作成にかかる社内工数は別途見込んでおく必要があります。予算を抑えたい場合は、企画・原稿を内製し、デザイン・印刷だけを外注する分担も選択肢です。
よくある質問
Q. 採用パンフレットは何ページくらいが適切ですか?
A. 8ページ前後から始める企業が多く、掲載内容の5項目を過不足なく収められる分量です。内容を増やすほどページ数と費用が上がるため、まず必須項目を8ページに収め、必要に応じて増やす進め方が実務的です。
Q. 採用サイトがあればパンフレットは不要ですか?
A. 採用サイトとパンフレットは役割が異なるため、両方を用意する企業が多くあります。採用サイトは随時更新できる比較検討の場、パンフレットは手元に残り家族にも共有できる媒体という違いがあります。
Q. 制作期間はどのくらいですか?
A. 外注の場合、目的・ターゲット設定から印刷完了まで1〜2カ月程度を見込むのが一般的です。社員インタビューの撮影・原稿確認に時間がかかりやすいため、説明会シーズンから逆算して早めに着手してください。
まとめ
採用パンフレットは、会社案内・採用サイトとは異なる役割を持つ媒体です。まず配布シーンとターゲットを決め、掲載内容の5項目を過不足なく盛り込んでから、内製・外注の判断を行ってください。
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