新卒採用で知名度がどこまで結果を左右するのかは、調査データである程度まで分かっています。影響するのは、学生が企業を知る経路のうち約7割の部分だけです。残りの約3割では、社名を知られているかどうかは前提になりません。
この記事では、新卒採用における知名度の影響範囲を一次データで切り分け、知名度に頼らずに学生の選択肢へ入る5つの経路と、着手する順番を整理します。
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新卒採用における知名度とは|影響するのは「学生が知る経路」の約7割
新卒採用における知名度とは、学生が就職活動を始める前から社名を認識している度合いのことです。採用の場面では、就職情報サイトの一覧や検索結果の中から学生が企業を選ぶときに働きます。逆に、企業の側から学生へ声をかける経路では、社名を知られていることが前提になりません。
キャリタスが27卒の学生740人に聞いた調査では、学生がインターンシップ等のプログラムを知ったきっかけは、就職情報サイト36.8%と企業ホームページ32.8%の2つで合計69.6%を占めました。どちらも学生が探しに来る面で、一覧の中から社名で選ばれます。知名度が結果に効くのは、この約7割の部分です。
残る30.4%は、就活準備イベント・スカウトサービス・大学・知人の紹介などに分かれます。これらは企業の側から接点を作れる経路で、社名を知られているかどうかが入口の条件になりません。新卒採用で知名度の差を埋める作業は、この30.4%をどう厚くするかという話に置き換えられます。
知名度を課題に感じている企業はどれくらいあるか|従業員規模別
知名度を課題に挙げた企業の割合は、従業員規模が小さいほど高くなります。マイナビが2027年卒のインターンシップ・キャリア形成支援活動について企業に聞いた調査(2025年11月14〜28日実施・有効回答1,282社/当該設問n=883)では、「企業の知名度が無い」を問題点として挙げた企業の割合が規模別に次のように分かれました。
| 従業員規模 | 「企業の知名度が無い」を挙げた割合 |
|---|---|
| 50人未満 | 63.6% |
| 50〜99人 | 53.1% |
| 100〜299人 | 41.4% |
| 300〜499人 | 36.9% |
| 500〜999人 | 33.9% |
| 1,000〜2,999人 | 26.7% |
| 3,000〜4,999人 | 18.9% |
| 5,000人以上 | 28.0% |
| 全体 | 42.0% |
出典:マイナビ「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」(調査結果ページ・2026年9月3日取得)
知名度の課題感は、業種によって4倍の開きがある
同じ設問を業種別に見ると、知名度の課題感は業種によって4倍近い開きがあります。
| 業種 | 「企業の知名度が無い」を挙げた割合 |
|---|---|
| ソフトウエア・通信 | 53.6% |
| 建設 | 50.8% |
| 製造 | 50.2% |
| その他サービス・インフラ | 45.3% |
| 商社 | 39.8% |
| 公社・団体 | 36.7% |
| 金融 | 23.3% |
| マスコミ | 18.2% |
| 小売 | 13.3% |
出典:同上
小売やマスコミが低いのは、学生が消費者として日常的に接触している業種だからです。逆に建設・製造・ソフトウエア・通信は、事業が最終消費者の目に触れにくく、社名を知る機会が就職活動以外にありません。業種として構造的に不利なのであって、自社の広報の努力が足りないからではないという切り分けが、まずここでつきます。
知名度より先に挙がっている課題が2つある
同じ調査で企業が挙げた問題点を多い順に並べると、知名度は3番目です。上位は次のとおりでした(n=883・複数回答)。
| 順位 | 問題点 | 割合 |
|---|---|---|
| 1 | 母集団(エントリー数)の不足 | 72.0% |
| 2 | マンパワー不足(他業務との兼ね合いを含む) | 44.3% |
| 3 | 企業の知名度が無い | 42.0% |
| 4 | 合同インターンシップ説明会での集客 | 31.0% |
| 4 | 協力社員の確保が難しい | 31.0% |
出典:同上
順位そのものより、3つの課題が動かしやすさの点で大きく違うことが重要です。知名度は自社の努力だけでは短期に動きません。一方で、マンパワー不足と協力社員の確保は社内の段取りの問題で、今期のうちに手をつけられます。母集団の不足も、後述するとおり「エントリーを増やす」以外の解き方があります。
知名度を最初に手をつける課題に据えると、動かせる2つを後回しにすることになります。学生が集まらない状態を分解して原因を切り分ける手順は、新卒採用で学生が集まらない原因と対策にまとめています。
知名度が効くのは「学生が探しに来る」2つの面
学生がそのプログラムを知ったきっかけは、上位2つで約7割を占めます。キャリタスが27卒の学生740人に聞いた特別調査(2026年3月9〜19日実施)の分布は次のとおりです。
| 知ったきっかけ | 割合 | 知名度の影響 |
|---|---|---|
| 就職情報サイト | 36.8% | 受ける |
| 企業ホームページ | 32.8% | 受ける |
| インターンシップイベント等の就活準備イベント(オンライン含む) | 10.3% | 受けにくい |
| スカウトサービス(逆求人) | 5.2% | 受けにくい |
| 大学(キャリアセンター、ガイダンス等) | 4.3% | 受けにくい |
| 先輩・友人・知人 | 3.9% | 受けにくい |
| その企業の別のプログラムへの参加 | 2.7% | 受けにくい |
| SNS(LINE、X、Instagramなど) | 2.2% | 受けにくい |
| その他 | 1.8% | — |
出典:キャリタス就活 学生モニター2027「インターンシップ等に関する特別調査」(調査レポート・2026年9月3日取得)。「知名度の影響」の欄は、学生が探しに来る面か、企業側から接点を作れる面かでABABAが分類したものです。
上位2つは、どちらも学生が探しに来る面です。就職情報サイトの一覧でも検索結果でも、学生は並んだ社名の中から選びます。知名度の差がそのまま結果に出やすいのがここです。
2つの面のうち、半分は自社で作れる面
69.6%のうち、企業ホームページの32.8%は自社の資産です。就職情報サイトの掲載順や露出量は媒体の仕組みに左右されますが、自社サイトに何を書くかは自社で決められます。学生の約3人に1人が、自社サイトを見てプログラムを知っているという数字は、知名度の話であると同時に、今期のうちに手を入れられる面の話でもあります。
「知名度が効く2つの面」とひとくくりにすると、どちらも手が出せないように見えます。実際には、半分は自社で作れる面だと分けて考えたほうが、着手先が決まります。
知名度に頼らない採用戦略
知ったきっかけの残り30.4%のうち、企業の側から動かせるのは合計26.4%です。内訳は就活準備イベント10.3%・スカウトサービス5.2%・大学4.3%・先輩や友人からの紹介3.9%・別のプログラムからの再接触2.7%。ここでは社名を知られていることが入口の条件になりません。順に見ていきます。
1. 就活準備イベント
就活準備イベントは、企業側から接点を作れる経路のなかで最も大きい10.3%を占めます。合同説明会やインターンシップイベントで、学生は会場やオンラインの一覧から企業を選びますが、その場に来ている時点で「知らない企業も見る」状態になっています。就職情報サイトの一覧とは、学生の構えが違います。
マイナビの調査では、応募や参加が増えた企業の工夫として「合同説明会に参加」という回答も挙がっていました。出展の判断材料は採用手法10選の比較で整理しています。
2. スカウトサービス
スカウトサービスは、企業が学生を選んで直接声をかける経路です。学生の側は一覧から探すのではなく、届いたメッセージを開くところから始まるため、社名を知っているかどうかが入口の条件になりません。
ABABAの実績では、スカウトの開封率は33%です(2026年1月時点)。届いた時点で3人に1人が中身を読んでいる計算になります。一覧の中で社名によって選ばれる面とは、選ばれ方の構造が違います。料金体系と選び方は新卒採用ダイレクトリクルーティングの比較にまとめています。
3. 大学
大学経由は4.3%と細い経路ですが、学生との接点を継続的に作れる点で性質が違います。マイナビの調査で応募や参加が増えた企業の自由回答には、「大学へのアプローチを増やす」「大学の授業に協力した」「学校へ訪問し、テスト期間のタイミングなどを入念に確認している」といった内容が挙がっていました。
大学の担当者に自社を知ってもらえば、学生一人ひとりに社名が届いていなくても紹介が起きます。知名度を学生に対して直接上げるのではなく、間に立つ人に届ける形です。
4. 先輩・友人・知人からの紹介
知人経由の紹介は3.9%を占めます。社員の出身大学の後輩、内定者の友人、アルバイトやインターン経験者からの紹介が含まれます。この経路では、学生は社名ではなく「知っている人が勧めている」という理由で最初の接点を持ちます。
紹介は数を計画的に積み増しにくい経路ですが、すでに自社を知っている学生をもう一度動かす形なので、母集団の質は他の経路より安定しやすくなります。
5. 別のプログラムからの再接触
同じ企業の別のプログラムへの参加が2.7%あります。夏に短いプログラムで会った学生を、秋冬にもう一度呼ぶ形です。5つのなかで最も見落とされやすい経路ですが、一度会っている学生なので、知名度の問題がすでに解けているという点で条件が良くなっています。
SNSは集客の道具ではなく、比べられたときの材料
SNSは、学生がプログラムを知るきっかけとしては2.2%しか働いていません。ところが同じ27卒の学生に「業界研究で役に立っていると感じるツールや情報源」を聞くと、SNSは38.0%に達します。上位は業界研究イベント42.2%、就職情報サイトの業界特集39.8%で、SNSはそれに次ぐ3番目です(出典:キャリタス就活 学生モニター2027「11月後半時点の就職意識調査 Vol.03」)。
同じSNSでも、人を集める働きはほとんどなく、調べられたときの材料としては強く働いています。SNS運用を集客のKPIで評価すると、ほぼ確実に「効果がない」という結論になります。評価すべきは、接点を持った学生が自社を調べたとき、そこに働く具体像が置いてあるかです。
学生が比べる企業数には上限がある
学生が1日以内のプログラムで実際に会う企業は、平均7.0社です。キャリタスが27卒の学生1,010人に聞いた調査(2025年11月14〜21日実施)では、参加社数の平均が次のように出ています。
| プログラムの長さ | 参加社数(平均) |
|---|---|
| 1日以内 | 7.0社(前年 7.8社) |
| 2〜4日間 | 2.7社 |
| 5日間程度 | 1.6社 |
| 2週間以上 | 1.1社 |
出典:キャリタス就活 学生モニター2027「11月後半時点の就職意識調査 Vol.03」(調査レポート・2026年9月3日取得)
そして同じ調査で、この7.0社に入れたかどうかが、その後を決めています。11月後半時点で本選考を受けた学生は49.4%で、受験社数の平均は3.2社。そのうちインターンシップ等で接点のあった企業が2.0社を占めます。内定を得た学生は15.9%で、内定社数の平均は1.4社。そのうち接点のあった企業が1.1社です。
本選考の3.2社のうち2.0社、内定の1.4社のうち1.1社が、事前に会っていた企業だということです。
この事実が、目標の置き方を変えます。認知を広げるという目標は、達成したかどうかを判定できません。7.0社の枠のうち1つを取るという目標なら判定が可能です。測る指標も、露出量ではなく「プログラムに参加した学生が何人で、そのうち何人が本選考へ進んだか」に変わります。
枠が縮んでいる理由は、就職活動の開始が1点に集中したこと
7.8社から7.0社への縮小は、学生が手を抜いたからではありません。同じ調査で、就職活動を「3年生の4月」に始めた学生の割合は30.8%から36.4%へ増えています。開始時期が1点に集中する一方で、学生が就職活動に使える時間の総量は変わりません。動き出しが早まるほど1社あたりに割ける時間が減り、比べられる社数の上限が下がります。
同じやり方を来年も続ければ、入れる確率は今年よりわずかに下がる。これが前提です。
大手企業と中小企業・ベンチャーで起きていることは違う
従業員規模で課題の中身を比べると、小規模な企業は入口に、大手は出口に課題が集まっています。同じマイナビ調査の規模別クロスから、差が大きい項目を抜き出しました。
| 問題点 | 50人未満 | 5,000人以上 |
|---|---|---|
| 母集団(エントリー数)の不足 | 75.2% | 65.0% |
| 企業の知名度が無い | 63.6% | 28.0% |
| ターゲット層の学生の参加が少ない | 32.2% | 14.2% |
| 協力社員の確保が難しい | 31.8% | 7.2% |
| マンパワー不足 | 38.9% | 44.0% |
| 合同インターンシップ説明会での集客 | 19.5% | 32.4% |
| 本選考までのつなぎとめが難しい | 35.4% | 52.2% |
出典:マイナビ「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」(n=883)
50人未満の企業で高いのは、母集団75.2%・知名度63.6%・ターゲット層の参加32.2%と、いずれも入口の項目です。一方で5,000人以上の企業では、本選考までのつなぎとめが52.2%と最も高く、入口より出口に課題が寄っています。
この違いは、打ち手の順番を変えます。中小企業やベンチャーの場合、フォローの設計を磨き込む前に、まず接点の数を確保するほうが効きます。逆に、入口が足りている状態でフォローだけを厚くしても、母数が変わらないので結果は動きません。
もうひとつ、協力社員の確保が31.8%対7.2%と4倍以上の差になっている点も見ておく価値があります。人手が限られている企業ほど、社員を大勢巻き込む形の施策は続きません。後述する「総工数を増やさずに席を増やす」やり方が現実的になるのは、この事情があるからです。
知名度を上げる施策は、どこに効くのか
採用広報やオウンドメディア、採用ブランディングといった認知施策は、69.6%の面での選ばれやすさを上げる打ち手です。効かないわけではありません。ただし成果が出るまでに時間がかかり、他の施策と切り分けて効果を測ることも難しくなります。
そのため、着手の順番を次のように置くと動かしやすくなります。
- 自社の採用サイトを整える(きっかけの32.8%。自社で決められる面で、今期のうちに手を入れられる)
- 就職情報サイトの掲載内容を見直す(きっかけの36.8%。露出量は媒体次第でも、何を書くかは自社で決められる)
- 企業側から接点を作る経路を1つ増やす(合計26.4%。知名度が入口の条件にならない)
- 中長期の認知施策を積む(効果が出るまでの期間が長いため、1〜3と並行して進める)
順番の根拠は単純で、1と2は今年度の採用に間に合い、4は間に合いにくいということです。認知施策を先頭に置くと、今年の母集団が動かないまま1年が過ぎます。
なお、学生が企業を選ぶときに重視する項目としては、社風・人、仕事内容、給与・待遇のいずれもこだわると答えた学生が9割を超えています(出典:キャリタス就活 学生モニター2027「11月後半時点の就職意識調査 Vol.03」)。認知施策で置くべき材料は、社名の露出よりも、この3つが分かる中身のほうです。
エントリーを増やしても、参加は増えていない
応募は増えているのに、参加は増えていません。マイナビの企業調査で前年との比較を聞いたところ、応募学生数は「増えた」31.4%が最多(n=835)だった一方、参加学生数は「変わらない」30.5%が最多(n=833)でした。
マイナビはこの背景について、対面での実施が増えたことでプログラム1回ごとに受け入れられる学生数に制限が生じている可能性を指摘しています。
入口を広げても、受け皿が同じなら参加者は増えません。母集団の不足72.0%という課題に対して、エントリー数を増やす施策だけを積むと、この壁に当たります。母集団形成そのものの手順は母集団形成の手法と手順にまとめています。
参加者を増やした企業がやったのは、総工数を増やさずに席を増やすこと
応募や参加が増えたと回答した企業に工夫を聞いた自由回答には、共通点があります。マイナビの調査で挙がった内容を整理すると、次のようになります。
- 開催する回数・頻度を増やした
- 土曜日の開催を増やした
- 2日間のプログラムを1回開催していたものを、1日プログラムを2回開催する形に変更した
- 忙しい学生でも参加できるようにWEB開催を増やし、都合のよい日程を聞いて個別に対応した
- 平日でも授業が終わる16時以降に開催した
- 連続5日ではなく、隔週で合計5日になる日程に設定した
- 大学へ訪問し、試験期間のタイミングを事前に確認したうえで日程を組んだ
- 大学へのアプローチを増やし、大学の授業に協力した
出典:マイナビ「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」
並べてみると、内容を作り直した企業はほとんどいません。やっているのは、同じプログラムを分割し、時間帯をずらし、学生の予定に合わせることです。2日間を1回から1日を2回に変えても、社員の稼働日数は変わりません。総工数を増やさずに席の数を増やすという一点で共通しています。
窓は秋冬にもう一度開く
夏のプログラムで枠に入れなかった企業にも、秋冬という別の窓があります。しかも到達する志望度は夏より高くなります。キャリタスの特別調査で、参加時期別に「この企業に就職したい」と答えた学生の割合を参加前後で比較すると、次のようになりました。
| 参加時期 | 参加前 | 参加後 |
|---|---|---|
| 7〜9月 | 23.3% | 40.1% |
| 1〜3月 | 32.7% | 51.8% |
出典:キャリタス就活 学生モニター2027「インターンシップ等に関する特別調査」
1〜3月に参加した学生は、参加後に5割強が「この企業に就職したい」と答えています。7〜9月の40.1%を11.7ポイント上回る水準です。参加前の時点で既に志望度が高い(32.7%)ことも影響していますが、いずれにせよこの時期に会えた学生は、夏に会った学生より前向きな状態で選考に入ってきます。
夏は他社の実施が集中し、大学の休暇期間という制約もあります。マイナビの調査でも「他社も同じ時期に実施するので、日程がかぶってしまい参加率が下がる」「夏休み期間は限られているため、実施回数を増やせない」という声が挙がっていました。混み合う時期に無理に枠を取りにいくより、空いている時期に確実に会うほうが、結果として志望度の高い母集団になります。
どこに手を入れると効くかを確かめる7つの質問
次の7つに答えると、知名度が原因なのか、別の要因なのかが切り分けられます。昨年度の実績を手元に置いて確認してください。
- 自社と同じ従業員規模の企業のうち、何割が知名度を課題に挙げているか(本記事の規模別の表と照合する)
- 昨年度のプログラム参加者は何人だったか
- そのうち何人が本選考へ進んだか
- 内定者のうち、事前にプログラムへ参加していた人は何割か
- 参加者は、自社をどの経路で知ったか(就職情報サイト/自社サイト/イベント/スカウト/大学/紹介のいずれか)
- 応募者数と参加者数のどちらが、より増えていないか
- プログラムの開催回数を、社員の稼働日数を増やさずにあと1回増やせるか
判断の目安は3つです。4番が低いなら、枠には入れているのに選ばれていません。2番が少ないなら、そもそも枠に入れていません。6番で参加者側だけが伸びていないなら、原因は集客ではなく受け皿の数です。
そして5番で就職情報サイトと自社サイトしか出てこないなら、知名度が効く経路だけで戦っています。企業側から接点を作れる26.4%の経路を1つ足すのが次の一手になります。
よくある質問
新卒採用で知名度はどのくらい影響しますか?
学生が企業を知る経路のうち、約7割で影響します。学生がプログラムを知ったきっかけは、就職情報サイト36.8%と企業ホームページ32.8%の合計69.6%が上位2つで、いずれも一覧の中から社名で選ばれる面です。残りの30.4%はイベント・スカウト・大学・紹介などで、社名を知られていることが入口の条件になりません。
知名度が高くない企業でも新卒採用はできますか?
できます。学生が実際に比べる企業は1日以内のプログラムで平均7.0社で、全学生に知られる必要はありません。必要なのは、狙う学生の7つの枠のうち1つに入ることです。本選考の3.2社のうち2.0社、内定の1.4社のうち1.1社が事前に会っていた企業であることを踏まえると、枠に入れれば選考・内定まで到達する確率は高くなります。
知名度を上げるには何から始めればよいですか?
認知施策より先に、自社の採用サイトと、知名度に頼らない経路を確保することをおすすめします。学生がプログラムを知るきっかけのうち企業ホームページが32.8%を占め、ここは自社で決められる面です。次に企業側から接点を作れる経路(イベント10.3%・スカウト5.2%・大学4.3%・紹介3.9%・再接触2.7%)を1つ増やします。認知の総量を上げる施策は成果まで時間がかかるため、これらと並行して進めるのが現実的です。
中小企業が新卒採用で知名度の差を埋めるには?
フォローの設計より先に、接点の数を確保するほうが効きます。従業員50人未満の企業では母集団の不足75.2%・知名度63.6%・ターゲット層の参加32.2%と入口の課題が高い一方、5,000人以上では本選考までのつなぎとめ52.2%と出口に寄っています。課題の所在が違うため、大手向けに語られる打ち手をそのまま持ち込むと順番がずれます。
採用ブランディングと知名度対策は同じですか?
重なりますが、効く場所と時間軸が違います。採用ブランディングは、就職情報サイトと自社サイトという学生が探しに来る面(合計69.6%)での選ばれやすさを上げる打ち手で、成果までに時間がかかります。一方、企業側から接点を作る経路は今期のうちに増やせます。今年度の母集団を動かしたい場合は、後者を先に置くほうが間に合います。
新卒採用でSNSは効果がありますか?
集客の道具としてはほとんど効きませんが、比較材料としては強く効きます。学生がプログラムを知ったきっかけとしてSNSは2.2%にとどまる一方、業界研究で役に立つ情報源としては38.0%が挙げています。SNSを集客のKPIで評価すると効果なしという結論になります。学生が自社を調べたときに働く具体像が置いてあるか、という基準で運用してください。
エントリー数はどれくらい集めればよいですか?
エントリー数を増やす前に、受け皿の数を確認してください。企業調査では応募学生数が「増えた」31.4%で最多だった一方、参加学生数は「変わらない」30.5%が最多でした。対面実施の増加でプログラム1回あたりの受け入れ人数に制限が生じている可能性が指摘されています。エントリーを増やしても、席がなければ参加者は増えません。
夏のインターンシップで学生が集まらなかった場合、もう手はありませんか?
秋冬にもう一度窓が開きます。1〜3月に実施したプログラムでは、参加後に「この企業に就職したい」と答えた学生が51.8%に達し、7〜9月の40.1%を上回りました。夏は他社の実施が集中して日程が重なりやすく、大学の休暇期間という制約もあります。空いている時期に確実に会うほうが、志望度の高い母集団になります。


