本記事は採用サイトの制作を検討している企業の採用担当者に向けて、費用相場と制作会社の選び方、依頼前に準備すべきことをまとめました。依頼してから決めるのではなく、依頼前に自社で整理しておくことが、制作会社選びの成否を分けます。
採用サイトの役割|ナビ媒体・コーポレートサイトとの違い
採用サイトの役割は、ナビ媒体やコーポレートサイトでは伝えきれない情報を、志望度の高い学生に深く伝えることです。同じ「会社の情報を載せる場所」でも、目的と学生の使い方が異なります。
| 目的 | 掲載情報 | 学生の利用シーン | |
|---|---|---|---|
| ナビ媒体 | 幅広い母集団への露出 | 基本情報・エントリー導線 | 企業を「知る」最初の接点 |
| コーポレートサイト | 会社全体の情報開示 | 事業内容・IR・沿革 | 会社の実在性・規模の確認 |
| 採用サイト | 志望度醸成・入社意思決定支援 | 社員インタビュー・仕事内容・データ | 応募前後の「比較検討」段階 |
新卒採用に特化した採用サイトでは、学生向けコンテンツ設計の観点が特に重要です。社員インタビューや仕事内容の具体化など、学生が知りたい情報を軸に据えた設計は、コーポレートサイトの流用では実現しにくく、この観点を持つ採用サイトはまだ多くありません。
採用サイト制作の費用相場
採用サイトの費用は、テンプレート活用型からフルオーダー型まで、価格帯に大きな幅があります。公開情報をもとに整理した価格帯別の目安は次のとおりです。
| 価格帯 | 目安 | できること |
|---|---|---|
| テンプレート・ノーコード型 | 30万〜100万円程度 | 既存テンプレートを使い、文章・写真を入れ替えて公開 |
| 中堅制作会社によるオーダー型 | 100万〜300万円程度 | サイトマップ・デザインをオリジナルで設計 |
| 戦略設計込みのフルオーダー型 | 300万〜1,500万円程度 | 採用戦略の立案から社員取材・撮影・開発まで一貫対応 |
フルオーダー型の相場は、株式会社ベイジが自社サービスページで公開している「通常300〜1,500万円程度、よくある予算は700〜1,500万円程度」という情報から確認しています。この価格帯には、採用戦略の立案・社員アンケートやユーザーテスト・コンテンツ制作・開発・公開後の運用支援までが含まれます。
出典:「採用サイト制作+ブランディングが得意」(株式会社ベイジ/公式サービスページ・2026年9月14日取得)
費用の幅が大きいのは、依頼する範囲によって工数が変わるためです。戦略の立案から任せるか、デザイン・開発だけを依頼するかで、同じ「採用サイト制作」でも金額が数倍変わります。
採用サイト制作会社の選び方5つの基準
制作会社を選ぶ基準は、次の5つです。
1. 採用領域の実績:新卒採用サイトの制作実績が公開されているか2. デザインとコンテンツ企画力:見た目だけでなく、伝える情報の設計まで担えるか3. 公開後の運用支援:公開して終わりでなく、更新・改善の支援があるか4. 料金体系の透明性:見積もりの内訳が明確に示されるか5. 自社業界の理解度:業界特有の事情を踏まえた提案ができるか
基準ごとの確認質問例として、「新卒採用サイトの制作実績を3件見せてください」「公開後の運用サポートはどこまで含まれますか」「見積もりの内訳を項目別に出してもらえますか」の3つを、初回の打ち合わせで聞いてみてください。
おすすめの採用サイト制作会社
採用サイト制作の実績を公開している制作会社を5社紹介します。情報はいずれも各社公式サイトの公表情報のみを使用しています。
株式会社LIG
株式会社LIGは、2007年創業のWeb制作・システム開発会社です。リクルートサイト制作のポイントを解説する自社記事で、エイチーム・HDE・旅工房の採用サイト制作実績を公開しています。
出典:「リクルートサイト制作、押さえるべきポイントを教えます」(株式会社LIG/公式記事・2026年9月14日取得)
株式会社ベイジ
株式会社ベイジは、2010年設立、2014年から採用サイト制作を手がけているWeb制作会社です。採用戦略の立案からデザイン、コンテンツ制作、開発までを一貫して社内で完結できる点が特徴です。実績には日立製作所・サイボウズ・freee・グッドパッチ・ヌーラボ・大和物流などが公開されています。
出典:「採用サイト制作+ブランディングが得意」(株式会社ベイジ/公式サービスページ・2026年9月14日取得)
株式会社揚羽
株式会社揚羽は、コーポレートブランディングを軸とする会社です。新卒採用サイトの制作実績として、東洋製罐グループホールディングス・日野自動車・IHIエアロスペース(日本BtoB広告賞受賞)が公開されています。ビジュアルデザインとコンテンツライティングを含めたトータルブランディングを強みとしています。
出典:「採用サイトの制作のポイントと流れを徹底解説(後編)」(株式会社揚羽/公式記事・2026年9月14日取得)
株式会社ニジボックス
株式会社ニジボックスは、UI/UXデザインを軸とするリクルートグループの会社です。Headless CMSを使ったサイト設計や、ノーコードでの制作支援に対応しており、短納期・低コストでの提案が可能な点を公式サイトで公開しています。
出典:サービス紹介ページ(株式会社ニジボックス/公式サイト・2026年9月14日取得)
株式会社セブンデックス
株式会社セブンデックスは、2018年設立、東京都渋谷区の会社です。「HR Spark」という、戦略・体験設計・クリエイティブを掛け合わせた採用サイト制作パッケージを提供しています。採用コンセプトの設定からコンテンツ設計まで一貫して支援する統合型のサービスです。
出典:「HR Spark」(株式会社セブンデックス/公式サービスページ・2026年9月14日取得)
採用サイト制作の流れ(依頼前準備〜公開)
採用サイト制作は、「目的・ターゲット整理→RFP(要件)作成→会社選定→制作→公開」の順で進みます。依頼前に社内で整理しておくべき項目を、チェックリストにしました。
- 目的:認知拡大・志望度醸成・入社意思決定支援のうち何を狙うか
- ターゲット像:採用ペルソナとして、どんな学生に届けたいかを具体化する
- 予算感:前述の価格帯のどこに位置づけるかを決めておく
- 公開時期の希望:逆算して依頼のタイミングを決める
この4点を整理してから会社選定に入ると、見積もりの比較がしやすくなります。RFP(要件定義)を用意しないまま依頼すると、制作会社ごとに前提が異なる見積もりが出てきて、比較検討がかえって難しくなります。
新卒採用で成果が出る採用サイトのコンテンツ
新卒採用で成果が出る採用サイトには、社員インタビュー・仕事内容の具体化・データで見る自社・FAQといった、学生の応募意思決定に効くコンテンツが入っています。
これらのコンテンツの土台となるのが、自社が誰に何を伝えるかという設計です。採用ブランディングの進め方で整理した「自社の価値の棚卸し」と「採用ペルソナの設定」を先に済ませておくと、採用サイトのコンテンツ企画がスムーズに進みます。制作会社に依頼する場合も、この設計を先に持っておくことで、要望を的確に伝えられます。
公開後の運用・集客まで設計する
採用サイトは、公開して終わりではありません。公開しただけでは学生の目に触れず、SEO対策・SNS連携、ナビ媒体やスカウト媒体からの導線設計を合わせて考える必要があります。
制作を依頼する段階で、「公開後の流入をどう作るか」まで制作会社に相談しておくと、公開後に「サイトはあるが誰も見に来ない」という状態を避けられます。
よくある質問
Q. 採用サイトの制作期間はどのくらいですか?
A. 戦略設計を含むフルオーダー型は、5〜6カ月程度かかることが一般的です。テンプレート・ノーコード型であれば、より短期間での公開も可能です。制作会社に依頼する範囲によって期間は大きく変わるため、見積もり時に確認してください。
Q. テンプレート型とオーダー型どちらがよいですか?
A. 予算と、伝えたい情報の独自性のバランスで判断します。定型的な情報整理で十分な場合はテンプレート型で始め、社員インタビューや独自のコンテンツ企画まで作り込みたい場合はオーダー型を検討してください。まず低コストで始めて、効果を見ながらオーダー型へ移行する進め方もあります。
Q. 制作後の更新は自社でできますか?
A. CMS(コンテンツ管理システム)を導入していれば、文章や写真の更新は自社で対応できます。依頼時に、公開後の更新を自社で行いたい旨を伝え、更新しやすい構成で作ってもらうことがポイントです。
まとめ
採用サイト制作は、価格帯の幅が大きいからこそ、依頼前に目的・ターゲット・予算感を整理しておくことが重要です。制作会社を選ぶ前に、まず自社が何を伝えたいかを明確にしてください。
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