インターンシップは、学生との早期接点をつくり、自社への理解や志望度を高める重要な採用施策です。しかし、「学生が集まらない」「どのような企画なら参加したいと思ってもらえるのか分からない」「採用につながるインターンシップを実施したい」と悩む採用担当者も少なくありません。
本記事では、インターンシップ企画の立て方をはじめ、最新制度の動向や目的別の企画案、成功事例、企画を成功させるポイント、募集方法や効果測定まで詳しく解説します。学生に選ばれ、採用成果につながるインターンシップを企画したい方は、ぜひ参考にしてください。
インターンシップ企画とは
インターンシップの企画では、学生に業界や企業、仕事内容への理解を深めてもらうことを目的に、自社における実施目的や対象学生、プログラム内容、開催形式などを設計します。単なる会社説明の場ではなく、学生との接点を作り、自社への理解や志望度を高める採用施策として活用されています。
企業にとってのインターンシップのメリットは、早い段階で学生と接点を持てることに加え、自社に合う人材を見極めやすくなり、入社後のミスマッチ防止にもつながる点が挙げられます。採用競争が激化する中、母集団形成や志望度向上、採用ミスマッチの防止など、さまざまな採用課題を解決するための重要な施策となっています。
インターンシップの基本的な内容については、以下の記事も参考にしてください。
企業が実施するインターンシップとは?目的や種類、給与の発生条件、実施手順を解説
インターンシップの最新動向
- 三省合意による制度変更:2025年卒以降、インターンシップは4つに分類され、一定の要件を満たすタイプ3・4では、取得した学生情報を採用選考に活用できるようになりました。
- 長期インターンの注目度上昇:実務体験を通じて企業理解や適性を深められることから、学生・企業の双方で関心が高まり、採用につながる施策として活用が進んでいます。
三省合意による新分類制度
2025年卒以降、文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「三省合意」に基づき、学生のキャリア形成支援は4つの区分に整理されました。従来はインターンシップとして扱われていた取り組みも、現在は内容や実施期間などに応じて4つの区分に分類されています。
なかでも、一定の要件を満たすタイプ3・タイプ4は、取得した学生情報を採用選考に活用できるため、採用との連携を見据えたインターンシップを実施する場合は、制度を正しく理解したうえで企画を設計することが重要です。
| 区分 | 主な内容 | 実施期間 | 採用選考への利用 |
| タイプ1:オープン・カンパニー | 業界・企業説明、職場見学など | 超短期(単日) | 不可 |
| タイプ2:キャリア教育 | キャリア形成を目的とした教育プログラム | 規定なし | 不可 |
| タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 実務を伴う就業体験 | 汎用的能力活用型:5日以上専門活用型:2週間以上 | 条件付きで可 |
| タイプ4:高度専門型インターンシップ | 大学院生向けの高度な就業体験 | 個別の要件に基づく | 条件付きで可 |
採用選考への活用を想定する場合は、タイプ3・タイプ4の要件を満たすことが前提となります。そのため、実施期間だけでなく、就業体験の割合や社員による指導・フィードバックなどの要件も確認しながら企画を立てることが大切です。
長期インターンの注目度上昇
近年、長期インターンシップへの注目が高まっている背景には、2025年卒から適用された三省合意による制度変更があります。一定の要件を満たすタイプ3(汎用的能力・専門活用型インターンシップ)とタイプ4(高度専門型インターンシップ)では、インターンシップを通じて取得した学生情報を、広報解禁後の採用選考に活用できるようになりました。そのため、企業にとってインターンシップは、企業理解を促進する場であると同時に、採用活動へつなげる重要な機会となっています。
また、採用市場では人材獲得競争が年々激しくなっており、多くの企業が優秀な学生と早期に接点を持つことを重視しています。長期インターンシップでは、学生は実際の業務を経験できる一方、企業は勤務態度や適性、価値観などを書類や面接だけでは把握しにくい点まで確認できます。このように相互理解を深められることから、採用後のミスマッチ防止や志望度向上につながる施策として多くの企業で導入が進んでいます。
インターンシップ企画の立て方
インターンシップを成功させるためには、自社の採用課題やターゲットに合わせて企画を設計することが重要です。本章では、企画立案のコツを押さえながら、次の4つのステップに沿って進め方を解説します。
- 目的の明確化:解決したい採用課題を整理する
- ターゲット学生の設定:求める人物像を具体化する
- 自社の魅力整理:学生へ伝えたい強みを明確にする
- プログラム内容の決定:目的に合った内容や形式を設計する
実施内容を社内で共有する際は、インターンシップ企画書を作成すると認識を統一しやすくなります。企画書の書き方としては、目的・対象学生・実施内容・スケジュール・運営体制などを整理することが基本です。
目的の明確化
インターンシップを企画する際は、まず実施目的を明確にすることが重要です。他社の事例を参考にすることは有効ですが、そのまま取り入れても自社の採用課題に合うとは限りません。まずは、「インターンシップを通じて何を達成したいのか」を整理し、その目的に合わせてプログラムを企画しましょう。
インターンシップの目的は企業によって異なりますが、多くは「認知度向上」「志望度向上」「採用ミスマッチの防止」の3つに分けられます。認知度向上は、自社を知らない学生との接点を増やし、応募母集団を形成することが目的です。志望度向上は、企業や仕事への理解を深めてもらい、入社意欲を高めることを目指します。採用ミスマッチの防止は、実務体験を通じて学生と企業が相互理解を深め、入社後の早期離職や認識のズレを防ぐことを目的としています。
このように、インターンシップを実施する目的は企業によって異なります。知名度不足が課題なのか、志望度向上を図りたいのか、それとも採用後のミスマッチを減らしたいのかを明確にすることで、自社の採用課題に合った効果的なプログラムを企画しやすくなります。
ターゲット学生の設定
インターンシップの目的を明確にしたら、次はターゲットとなる学生像を具体的に設定します。ターゲットが曖昧なままでは、プログラム内容や訴求する内容に一貫性がなくなり、自社が採用したい学生に魅力が伝わりにくくなります。そのため、採用したい人物像をペルソナとして設定し、企画の方向性を明確にすることが重要です。
ペルソナを設計する際は、学生の特徴を具体的に設定しましょう。主な項目としては、学年・専攻・志向性・スキルレベルが挙げられます。たとえば、「大学3年生の理系学生」「IT業界に興味がある」「チームでの課題解決に意欲的」「プログラミング経験がある」といったように具体化することで、学生に響くプログラム内容や訴求ポイントを検討しやすくなります。
ターゲット学生を明確にすることで、社員間で認識を共有しやすくなるだけでなく、採用目的に沿ったインターンシップを企画しやすくなります。
自社の魅力整理
ターゲットとなる学生像を設定したら、次はインターンシップを通じて伝えたい自社の魅力を明確にします。学生にとって魅力的な企画にするためには、企業が伝えたいことだけでなく、ターゲット学生が魅力を感じるポイントを意識して内容を組み立てることが重要です。
自社の魅力を整理する際は、「仕事内容」「事業内容」「社員」「企業文化」「制度」の5つの観点で考えると整理しやすくなります。仕事内容では、担当業務や仕事のやりがい、社会への貢献性を整理します。事業内容では、ビジネスモデルや市場での強み、将来性などを伝えます。社員では、若手社員の雰囲気や働き方、成長できる環境を紹介できます。企業文化では、企業理念や価値観、チームワーク、挑戦を重視する風土など、自社ならではの特徴を伝えます。制度では、教育制度や研修、福利厚生、働き方など、安心して働ける環境を紹介します。
こうした要素を整理しておくことで、自社ならではの魅力が分かりやすく伝わり、学生の興味や参加意欲を高めやすくなります。
プログラム内容の決定
プログラム内容は、インターンシップの目的やターゲット学生に合わせて設計することが重要です。また、インターンシップ内容は学生から「面白い」と感じてもらえる企画を意識することも大切です。企画を決める際は、「コンテンツ」「実施期間」「実施形式」の3つの要素を整理すると、自社に適したプログラムを設計しやすくなります。
まずコンテンツは、企業説明や社員座談会、グループワーク、実務体験などの中から、目的に合った内容を選びます。次に実施期間を決定します。認知度向上を目的とする場合は1day、企業理解や適性確認を重視する場合は2〜5日程度の短期、実務経験や採用選考への活用を目的とする場合は5日以上の長期インターンシップが適しています。以下のカリキュラムテンプレートを参考に、自社の採用目的に合わせて内容を調整すると効率的です。
| 実施期間 | 適した企画内容 | 主な目的 |
| 1day | 会社説明、業界研究セミナー、社員座談会、職場見学、簡単なグループワーク | 企業認知・興味喚起 |
| 短期(2~5日程度) | グループワーク、課題解決ワーク、営業・企画体験、職種体験 | 企業理解・適性確認 |
| 長期(5日以上~数週間・数か月) | 実務体験、プロジェクト参加、OJT、営業同行、開発・制作業務 | 相互理解・採用選考・ミスマッチ防止 |
また、実施形式も重要なポイントです。オンライン開催は遠方の学生も参加しやすく、幅広い学生との接点を持ちやすい点がメリットです。一方、対面開催は社内の雰囲気や社員との交流を通じて、企業の魅力をより具体的に伝えられます。近年では、それぞれのメリットを活かせるハイブリッド形式を採用する企業も増えています。プログラム内容や実施期間、開催形式を目的やターゲット学生に合わせて設計することで、学生の満足度を高めるだけでなく、自社が求める人材との接点を増やしやすくなります。
目的別インターンシップ企画案15選
企画内容は、インターンシップの目的に応じて選ぶことが重要です。ここでは、代表的な企画を次の3つのカテゴリーに分けて紹介します。インターンシップの計画書を作成する際の例としても活用できるため、自社の目的やターゲットに合わせて企画を検討する際の参考にしてください。
- 企業理解促進型:企業や業界への理解を深め、認知度や志望度の向上を図る。
- 選考評価型:グループワークなどを通じて、学生の能力や適性を見極める。
- 実務体験型:実際の業務を体験してもらい、企業理解の促進や採用ミスマッチの防止につなげる。
企業理解促進型の企画
企業理解促進型の企画は、就職活動初期の学生に自社や業界への理解を深めてもらい、興味や志望度を高めることを目的としています。会社説明だけで終わらせるのではなく、社員との交流や体験型コンテンツを取り入れることで、企業の魅力をより具体的に伝えられます。
| 企画案 | 内容 | 狙える効果 | 対象学年 | 所要時間 |
| 企業説明会+社員座談会 | 会社概要の説明後、若手社員との座談会を実施 | 企業理解・社風理解・志望度向上 | 大学3年生中心 | 2~3時間 |
| 職場・オフィス見学 | オフィスや工場を案内し、実際の職場を紹介 | 働くイメージの形成・ミスマッチ防止 | 大学1~3年生 | 1~2時間 |
| 商品・サービス体験ワーク | 自社商品やサービスをテーマに簡単なワークを実施 | 事業理解・仕事への興味喚起 | 大学2~3年生 | 2~3時間 |
| オンライン企業ツアー | オフィス紹介や社員インタビューをオンラインで配信 | 遠方学生への認知拡大・参加率向上 | 全学年 | 1~2時間 |
| 質問会・座談会 | 学生からの質問に社員が自由に回答する交流会 | 不安解消・企業への親近感向上 | 大学2~3年生 | 1~2時間 |
これらの企画は比較的短時間で実施しやすく、多くの学生に参加してもらいやすい点が特徴です。企業理解を深めるだけでなく、社員の雰囲気や働くイメージを伝えることで応募意欲の向上や採用ミスマッチの防止にもつながります。
選考評価型の企画
選考評価型の企画は、学生の能力や適性を見極めることを目的としたインターンシップです。新規事業立案や既存サービス改善提案などは、インターンシップで活用される課題例として多くの企業で採用されています。単に成果物を評価するのではなく、課題への取り組み方や周囲との関わり方など、プロセスも含めて評価することが重要です。
| 企画案 | 評価できる能力 | 評価シートの設計ポイント |
| 新規事業立案ワーク | 論理的思考力、発想力、リーダーシップ | 課題分析、企画力、プレゼン力、チームへの貢献度を評価する |
| 既存サービス改善提案 | 課題発見力、改善提案力、顧客視点 | 課題設定の妥当性、提案の実現性、根拠を評価項目にする |
| グループディスカッション | 協調性、コミュニケーション力、主体性 | 発言量だけでなく、傾聴姿勢や議論への貢献度も評価する |
| 営業ロールプレイ | 提案力、ヒアリング力、対応力 | 質問力、提案内容、相手に応じた対応を評価する |
| 社会課題解決ワーク | 問題解決力、分析力、プレゼン力 | 課題分析、解決策の実現性、論理性、発表内容を総合的に評価する |
評価シートを作成する際は、「積極性」「論理的思考力」「協調性」「コミュニケーション力」などの評価項目を事前に設定し、5段階評価やコメント欄を設けると評価基準を統一しやすくなります。また、成果だけではなく、取り組む姿勢やチーム内での役割も評価対象とすることで、面接だけでは把握しにくい学生の強みや適性をより正確に見極めやすくなります。
実務体験型の企画
実務体験型の企画では、学生に実際の業務を経験してもらい、仕事への理解を深めることを目的としています。企業側にとっては、学生の業務適性や働く姿勢を確認でき、学生にとっても入社後の働くイメージを具体的に持てるため、採用ミスマッチの防止につながります。
| 企画案 | 実施期間の目安 | 必要スキルレベル | 得られる実務経験 |
| 営業同行・商談体験 | 5日~2週間 | 初級 | 営業活動、商談準備、顧客対応の流れを学べる |
| オウンドメディア記事制作 | 1~2週間 | 初級~中級 | 企画、取材、ライティング、記事公開までを体験できる |
| システム・プロダクト開発 | 2週間~1か月以上 | 中級以上 | 開発業務やチーム開発の流れを経験できる |
| デジタルマーケティング運用 | 1~2週間 | 初級~中級 | 広告運用やデータ分析、改善施策の立案を体験できる |
| SNS運用・コンテンツ制作 | 1~2週間 | 初級 | 企画立案、投稿制作、効果分析など広報業務を経験できる |
実務体験型の企画では、学生のスキルレベルに応じて担当業務を調整し、社員による指導やフィードバックを行うことが重要です。単なる業務補助で終わらせるのではなく、実際の仕事の流れや責任を体感できる内容にすることで、企業理解や志望度の向上につながります。また、企業側も学生の適性や成長度を実務を通じて確認できるため、採用判断の精度向上や入社後のミスマッチ防止が期待できます。
インターンシップ企画の成功事例
企業規模や業種によって、効果的なインターンシップ企画は異なります。ここでは、代表的な成功事例を3つ紹介します。
- 中小企業:地域性や社員との距離の近さを活かし、企業理解や志望度向上につなげた事例
- IT企業:ハッカソンや開発体験を通じて、技術力や適性を見極めながら採用につなげた事例
- メーカー:工場見学や製造現場での実務体験により、仕事への理解と採用ミスマッチ防止を実現した事例
中小企業の実績型事例
株式会社ミトラは、産婦人科向けシステムを開発・販売する企業です。同社は地方企業であることから、学生への認知度が低く、優秀な人材との接点を確保しにくいことが採用上の課題となっていました。
そこで、Wantedlyを活用して長期インターンシップの募集を実施しました。募集ページでは、業務内容に加え、企業理念や働く環境、社員の考え方などを発信し、企業への共感を促す情報を掲載しました。また、文理やプログラミング経験を問わず参加できる実務体験型のプログラムを用意し、学生が業務内容や企業文化を実際に知る機会を設けています。
その結果、多くの学生から応募を集め、長期インターン生の採用につながりました。この事例からは、知名度が高くない企業でも、自社の魅力を分かりやすく発信し、実務を体験できるインターンシップを企画することで、優秀な学生との接点を生み出せることが分かります。
IT企業のハッカソン事例
リスタンダード株式会社は、アスリートに特化した採用支援事業を展開する企業です。同社では、大手企業と比べて認知度が低く、自社の特徴を十分に学生へ伝えられないことが採用上の課題となっていました。
そこで、インターンシップの募集では「アスリートに特化した採用支援」という独自性を前面に打ち出し、自社ならではの事業内容や価値を積極的に発信しました。また、長期インターンシップでは、営業活動や新規メディアの運営、イベント集客など、実際の業務を経験できるプログラムを用意し、学生が仕事のやりがいや企業文化を体感できる環境を整えています。
結果として、長期インターン生の採用に成功し、認知度向上と母集団形成の両立を実現しました。この事例からは、知名度だけで他社と競争するのではなく、自社ならではの強みや専門性を明確に打ち出し、それを体験できるプログラムを企画することが、学生の興味や志望度を高めるポイントであることが分かります。
メーカーの現場体験事例
ディップ株式会社は、人材サービス事業やAI・DX関連事業を展開する企業です。同社では、優秀な学生との接点を増やすため、長期インターンシップの募集に加え、情報発信を強化する採用施策に取り組みました。
具体的には、Wantedlyで長期インターンシップの募集を掲載するとともに、自社のオウンドメディアやWantedlyの「ストーリー」機能を活用し、企業文化や社員の働き方、開発現場の様子などを継続的に発信しました。約半年間で20本以上の記事を公開し、学生との接点を増やすことで、企業理解や共感を促進しています。
その結果、多くの学生から応募を集め、機械学習エンジニアやデータサイエンティストなど専門人材の採用にも成功しました。この事例からは、インターンシップの募集だけでなく、オウンドメディアやストーリー機能を活用して継続的に情報発信を行うことが、企業認知度の向上や応募数の増加につながることが分かります。
企画で失敗しないポイント
以下は、インターンシップを実施する企業側が特に意識したいポイントです。これらに注意して企画することで、学生満足度や志望度を高め、採用成果につながりやすくなります。
- 企業理念の伝達重視:企業の理念や価値観、仕事の意義を分かりやすく伝える
- 社員交流機会の確保:座談会やフィードバックを通じて社員と接する機会を設ける
- フォローアップ体制の整備:インターンシップ終了後も継続的に接点を持ち、本選考へつなげる
企業理念の伝達重視
企業理念やパーパス(企業の存在意義)は、インターンシップを通じて積極的に伝えるべき重要な要素です。近年は給与や待遇だけでなく、「共感できる理念を持つ企業で働きたい」と考える学生が増えており、理念への共感が志望度を左右するケースも少なくありません。そのため、事業内容や仕事内容だけでなく、「なぜその事業を行っているのか」「社会にどのような価値を提供したいのか」といった想いまで伝えることが大切です。
パーパスを訴求する際は、会社説明で理念を紹介するだけでなく、社員が仕事に取り組む理由や実際のエピソードを交えながら説明すると、学生が具体的なイメージを持ちやすくなります。また、グループワークや課題設定に企業理念を反映させることで、学生自身が企業の価値観を体感できるプログラムにすることも効果的です。理念への共感を深めることで、企業理解や志望度の向上につながり、採用後のミスマッチ防止にも役立ちます。
社員交流機会の確保
社員との交流機会は、インターンシップの満足度や志望度を高める重要な要素です。学生は仕事内容だけでなく、「どのような人と働くのか」「職場の雰囲気は自分に合うか」といった点も重視しています。そのため、社員と直接話せる機会が多いほど企業理解が深まり、入社後の働く姿を具体的にイメージしやすくなります。
交流機会を設計する際は、会社説明の後に座談会を実施したり、グループワークに社員がメンターとして参加したりする方法が効果的です。また、ワーク終了後には成果だけでなく、取り組む姿勢や考え方について具体的なフィードバックを行うことで、学生の満足度向上につながります。若手社員から管理職まで幅広い社員と交流できる機会を設けることで、多様な働き方やキャリアパスを伝えられるため、企業への理解や共感をより深めることができます。
なお、社員との交流やフィードバックを充実させるには、担当社員の選定や役割分担、社内での情報共有など、受け入れ体制を事前に整えておくことも重要です。企業側が準備すべき内容や運営上の注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
インターンシップの受け入れ準備ガイド!企業側のメリットや注意点を解説
フォローアップ体制の整備
インターンシップは実施して終わりではなく、その後のフォローアップまで含めて設計することが重要です。せっかく企業に興味を持った学生も、接点が途切れると他社へ流れてしまう可能性があります。そのため、継続的なコミュニケーションを通じて関係性を築き、本選考や入社につなげるアフターフォローを計画しておきましょう。
効果的なフォロー施策としては、次のような方法があります。
- 参加者限定の会社説明会やイベントへ招待する
- 早期選考やカジュアル面談を案内する
- 社員との懇親会や座談会を開催する
- メールやSNSで採用情報や企業ニュースを定期的に配信する
- インターンシップのフィードバックを個別に実施する
学生との接点を継続することで、企業理解や志望度の向上が期待できるほか、採用ミスマッチの防止にもつながります。
企画の効果測定方法
インターンシップは実施すること自体が目的ではなく、採用成果につながったかを継続的に検証・改善することが重要です。そのため、参加人数だけでなく、学生の満足度や採用への貢献度など、複数の指標をもとに効果測定を行うことが大切です。
| KPI | 見方 | 改善アクション例 |
| 応募数 | 募集方法や認知度が適切かを確認する | 募集媒体や広報内容を見直す |
| 参加率 | 申込者が実際に参加しているかを確認する | 開催日時や案内方法を改善する |
| 満足度 | プログラム内容や運営への評価を確認する | ワーク内容や社員交流を充実させる |
| 志望度向上率 | インターン参加前後で志望度が向上したかを測定する | コンテンツや企業理解施策を見直す |
| 本選考・内定移行率 | 採用成果につながっているかを確認する | フォローアップ施策を強化する |
また、アンケートは効果測定に欠かせない情報源です。「満足度」「企業理解度」「志望度の変化」「社員との交流に対する評価」「改善してほしい点」などを設問に盛り込み、自由記述欄も設けると具体的な改善点を把握しやすくなります。KPIとアンケート結果を組み合わせて分析し、次回の企画へ反映することで、インターンシップの質や採用成果を継続的に向上させやすくなります。
インターンシップの募集方法
インターンシップで優秀な学生を集めるためには、自社に合った募集媒体を選び、適切な時期に情報を発信することが重要です。ターゲット学生の属性や目的に合わせて媒体を使い分けることで応募数や参加率の向上が期待できます。
| 募集媒体 | 特徴 |
| 新卒採用サイト | 幅広い学生へ効率的に募集できる |
| ダイレクトリクルーティング | 条件に合う学生へ企業から直接アプローチできる |
| 大学のキャリアセンター | 大学との信頼関係を活かして学生へ案内できる |
| 自社ホームページ | 企業理念や事業内容とあわせて詳しく情報発信できる |
| SNS | 幅広い学生へ認知を広げ、企業の雰囲気も伝えやすい |
募集時には、「どのような仕事を体験できるのか」「参加するメリットは何か」「対象学年・実施期間」などを具体的に記載すると、学生が参加時のイメージを持ちやすくなります。また、社員との交流やフィードバック、選考優遇の有無なども分かりやすく伝えることで、応募意欲を高められます。
募集時期は、夏インターンであれば春頃、秋冬インターンであれば夏から秋頃を目安に情報を公開すると、多くの学生にアプローチしやすくなります。募集開始から開催まで十分な期間を確保し、複数の媒体を組み合わせて継続的に情報発信することが、母集団形成の成功につながります。
まとめ
インターンシップを成功させるためには、自社の採用課題や求める人物像に合わせて設計を行うことが重要です。目的を明確にしたうえで、ターゲット学生や自社の魅力を整理し、それに適したプログラムを企画することで、企業理解や志望度の向上、採用ミスマッチの防止につながります。
また、社員との交流機会やインターンシップ後のフォローアップ、効果測定まで一貫して取り組むことで、採用成果をさらに高められます。本記事で紹介した企画例や成功事例を参考に、自社の採用課題や採用目的に合ったインターンシップを企画し、母集団形成や志望度向上、採用ミスマッチの防止につなげていきましょう。
よくある質問
インターンシップで企業側は何をするのでしょうか?
インターンシップで企業側は、学生の就業体験の企画・運営、実務の指導・サポート、成果や適性の評価、フィードバックなどを行います。具体的には、業務体験やワークショップの設計、指導担当社員の配置、社員との交流機会の提供、成果物や就業態度の評価などが主な役割です。また、企業理念や事業内容を伝えることで自社への理解や志望度を高め、学生との相互理解を深めながら、採用後のミスマッチ防止や優秀な人材の早期確保につなげることも重要な目的です。
大学3年生でインターンに行かない割合は?
大学3年生の時点でインターンシップに参加しない学生の割合は、約15〜20%前後とされており、近年は参加率が80〜90%を超えるなど、参加する学生が多数派となっています。参加しなかった理由としては、「選考に落ちた」「学業や部活動、アルバイトとの両立が難しかった」といったものが挙げられます。インターンシップに参加しなくても就職は可能ですが、早期選考への案内や企業理解を深められるメリットがあるため、近年は1dayのオープン・カンパニーなどにも多くの学生が参加しています。



