内定後に連絡が来ないときは内定を取り消せる? 対応や原因、予防策を紹介

採用活動をするなかで、内定を出したあとに内定者と連絡が取れなくなってしまうケースがあります。
本記事では、内定後に連絡が来ないときはどのような対応をすればよいのか、予防策はあるのかについて解説します。
「ABABA」は、最終面接まで進んだ学生だけにアプローチするため、内定承諾率は業界No.1を誇るサービスです。内定後に承諾の連絡が来なくて困っている採用担当者の方は、ぜひ活用してみてください。
内定後に連絡が来ないときは内定を取り消せる?
面接後に内定を出した候補者から内定承諾や辞退の連絡がない場合、企業としては入社準備が進められないだけでなく、信用問題として懸念が生じる可能性があります。そのため、内定を取り消したいと考えることもあるでしょう。
ただし、内定の取り消しは法律上の解雇に該当するため、慎重に対応しなければトラブルになる恐れがあります。企業側から一方的に取り消すには、客観的かつ合理的に認められる理由が必要です。音信不通の証拠を収集し、状況を適切に整理することが重要です。
「内定」の法的拘束力とは
内定は、企業と内定者との間で「勤務開始日からの労働契約が成立する状態」を指します。求職者の応募は「労働契約の申し込み」、企業の内定通知は「その承諾」となり、一般的に内定時点で労働契約が成立します。これは「解約権留保付労働契約」とされ、入社までに内定者が労働力提供に必要な条件を満たせない場合、企業は内定を取り消せる権利を持つものです。内定の取り消しは解雇と同じ意味を持つため企業側には正当な理由が必要です。一方的な都合での取り消しはできず、法的リスクを伴います。企業によっては内定承諾書や誓約書の提出をもって労働契約が成立する場合があるため、内定出しは慎重に行い、取り消しには十分な検討が求められます。
内定後に連絡が来ないときの対応
前述のとおり、内定後に連絡が来ないからといって、いきなり内定の取り消しはできません。できる限りの対応をして、連絡を取ることを試みましょう。
また、取り消しを通告するためには「これだけの対応をしたものの連絡が取れなかった」という音信不通の証拠が必要です。連絡が来ないときは、以下の対応をしてみましょう。
一定期間連絡を待つ
内定を出したにもかかわらず、すぐに承諾の連絡が来ない場合は、入社意思の有無について不安を感じることもあるでしょう。しかし、焦って結論を急ぐのではなく、一定期間待つことが大切です。
候補者側で何らかのトラブルや勘違いがあり、連絡が遅れている場合も考えられます。そのため、まずは返答期限を設けて候補者にコンタクトを取りましょう。そして、期限内に連絡が来るかどうかを再度確認しながら対応を進めてください。
何度か連絡をする
一度メールを送っても返信がなかった場合、再度送ったり電話をするなどして、何度か連絡を試みましょう。
メールで連絡した場合、見逃している可能性や迷惑メールフォルダに振り分けられている可能性も考えられます。何度か送っても返信がなければ、電話や郵便などほかの連絡手段も講じてみることが必要です。
どの連絡手段でも一切応答がない場合は、音信不通と判断してもよいでしょう。
大学や家族にも連絡する
内定後に連絡が来ない応募者がいる場合、企業側は取り消しの判断を下す前に、あらゆる手段でコンタクトの試みが重要です。特に学生の場合、1か月以上連絡が取れない場合は、在籍する大学や家族へ確認の依頼が可能です。
電話だけでなく、自宅訪問を検討することで、本人の状況を把握できるでしょう。企業側の誠実な対応を示すためにも、応募者の周囲へ状況を伝え、客観的な判断材料を得た上で適切な対応の進め方が求められます。
柔軟な対応をする
音信不通になった場合でも、相手を非難するような対応は避けましょう。特殊な事情により連絡が取れない可能性もあるため、求職者の個別事情を十分に考慮し、柔軟な対応を心がけることが重要です。
メールや電話で連絡を試みる際は、責めるような表現や強い口調を使わないよう注意しましょう。脅迫的な言葉遣いは絶対に避け、丁寧な言葉を選ぶとともに、相手の事情を理解しようとする姿勢を示すことが大切です。
冷静かつ配慮ある対応が、信頼関係を保つポイントとなります。
内定後に連絡が来ない場合のメール対応ポイント
内定後に候補者から連絡がない場合、すぐに辞退と判断することは避けた方が無難です。丁寧に状況確認のメールを送りましょう。件名には「内定に関する確認事項」や「内定に関するご確認のお願い」と明記し、返信がない理由や今後の意思を尋ねます。それでも返答がない場合は辞退の意向と判断せざるを得ませんが、トラブルを回避するためにも慎重な対応が重要です。
緊急性をアピールする
内定後に連絡がない場合は、内定者に緊急性と重要性をしっかり伝えることが大切です。件名に「重要」や「緊急」を入れ、受信者の注意を引きましょう。例えば「【重要】内定承諾に関するご確認」などが効果的です。本文では「内定承諾のご連絡が未着である状況」を明確に伝え、迅速な対応を促すフレーズとして「お急ぎのご確認をお願い申し上げます」や「早急にご対応いただけますようお願い申し上げます」のような表現を用いると、より緊急性が伝わります。
期限を設定する
メール対応の際、期限を設定することで、内定者にとって対応の優先度を明確にし、迅速な返答を促せます。さらに、スケジュール管理がしやすくなり、採用プロセスの円滑な進行にもつながります。初期対応はメールや電話を活用し、必要に応じて書面(内容証明郵便など)で正式に通知するとよいでしょう。また、「◯月◯日までにご返信をお願いします」と具体的な期限を示しつつ、特別な事情がある場合には柔軟に対応する姿勢を見せることも重要です。
相手を非難する文面にしない
メールにて対応する際には相手を非難するような文面は避け、内定者に対して敬意と配慮を持った対応を心がけましょう。厳しい表現は関係を悪化させるだけでなく、企業の印象を損なう可能性があります。返信が遅れている理由には、病気や予期せぬ事情がある場合も考えられるため、慎重な言葉選びが大切です。「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです」や「お手数をおかけしますが、ご確認のほどお願い申し上げます。」のような丁寧な表現を用いるとよいでしょう。
内定後に連絡が来なくなる原因
内定後に連絡が途絶える主な原因は以下の4つです。それぞれの原因に応じて、適切な対応や予防策を講じることが大切です。連絡が途絶える背景を理解し、対応や予防が可能な場合は早めに取り組みましょう。
連絡が届いていない
もっとも多いのが、企業と内定者の間で起こる連絡のミスです。特にメールでやりとりする場合、そもそも内定者に連絡が届いていないケースがあるでしょう。アドレスの間違いや迷惑メールフォルダに振り分けられてしまったなどで、内定の連絡自体が伝わっていない可能性もあります。
こうした事態を避けるために、連絡手段を複数用意しておくことがおすすめです。
他の企業から内定が出た
志望度の高い企業から内定を受けた場合、自社への入社意思がなくなり、連絡が途絶えることがあります。
より魅力的な企業から内定を得た際、候補者は志望度の低い企業の内定を辞退しようと考えることが一般的です。しかし、その際に辞退の連絡をしないまま音信不通となるケースも少なくありません。
こうした場合の対応として、候補者に対し、期限を明確にしたフォローアップを行い、連絡が取れない状況を回避する努力が必要です。
勤務条件が希望に沿っていない
内定を受けたものの、労働条件や待遇が希望に合わない場合も、連絡が途絶える原因のひとつです。勤務時間や勤務地、休日数、休暇制度などが自分の希望と異なると気づいた際、入社の意思を失い、そのまま音信不通になるケースがあります。
このような状況を防ぐためには、内定前に労働条件や待遇について候補者と十分に話し合い、疑問点を解消しておくことが重要です。また、内定後もフォローを行い、懸念点があれば早めに解決する姿勢を示すことが信頼構築につながります。
家族や健康に関する問題が起きた
家族や自分の健康に関する問題が起きて、連絡ができなくなった可能性も考えられるでしょう。たとえば身内に不幸があった場合や、本人の急な病気で入院したなどの事情によって連絡が遅れるケースもあります。
そうした場合、正当な理由として内定取り消しが法的に認められない場合もあるため注意しましょう。
内定取り消しを判断するタイミングは?
内定後に連絡が来ない応募者に対しては、企業側が一定期間を設け、複数回の連絡を試みることが重要です。一般的に、1か月以上経過しても返信がない場合、企業として正式な対応を検討する必要があります。電話やメールに加え、大学や家族への連絡、自宅訪問などを通じて状況確認をしましょう。
その上で、応募者の意図が不明確な場合は、法的要件を満たしているか専門家へ相談し、適切な手続きを進めます。取り消しを決定した場合は、できる限り早期の通知が望ましいでしょう。
内定取り消しの伝え方
慎重に対応した結果、正当な理由がないまま音信不通が続き、内定取り消しを決定する場合は、その伝え方にも注意が必要です。
内定取り消しは法的に解雇とみなされるため、一方的な通告はトラブルに発展する可能性があります。メールではなく、電話や直接会って伝える方法を選ぶのが望ましいといえます。その際、会話を録音しておくと後々の証拠になるでしょう。
内定取り消しを伝える際は、正当性を裏付ける事実を具体的に説明し、相手を不必要に傷つけない配慮も必要です。言葉遣いや表現には細心の注意を払い、感情的にならず冷静に対応しましょう。
内定取り消しのリスクとは
内定後に連絡が来ない応募者への対応として、企業が内定取り消しを検討する場合、その決定には慎重な判断が求められます。無条件での取り消しは、企業側に法的責任が発生する可能性もあるでしょう。
ここでは、内定取り消しのリスクについて解説します。
法的なリスク
内定取り消しには法的なリスクが伴います。内定は労働契約の一種とみなされることがあり、不当な取り消しは契約違反と判断される可能性があります。
そのため、企業は内定取り消しの正当性を慎重に確認し、法的要件を満たすため専門家への相談が重要です。
契約違反
前述のように、内定は労働契約の一形態とみなされるケースがあり、無条件での取り消しは、契約違反と解釈される可能性があります。特に、応募者が入社に向けた準備を進めている場合、その影響は多大です。
企業側が内定後に連絡が来ない応募者の取り消し対応を行う際は、正当な理由が求められます。不適切な対応をすれば、損害賠償請求を受けるリスクがあるため注意しましょう。取り消しを検討する場合、就業規則や労働契約の内容を確認し、法的リスクを最小限に抑えることが重要です。
行政への報告
内定取り消しに不満を持つ応募者が労働基準監督署へ報告するリスクも考慮しなければなりません。内定後に連絡が来なかったため、内定を取り消した対応が不誠実と判断されれば、企業の信用を損なう恐れがあります。
行政からの指導や調査が入る可能性もあり、慎重な対応が求められます。トラブルを避けるため、応募者とのやり取りは記録として残し、正当な理由に基づく対応である証明の準備が有効です。
採用プロセス遅延のリスク
採用活動において、内定者との連絡が滞ると、スケジュール全体が遅延するリスクもあります。内定後に連絡が来ない応募者に対して、内定取り消しなどの状況が発生すると、再選考が必要になり、余計な時間と費用が発生します。
また、選考が長引くことで他の優秀な候補者にも影響を及ぼし、企業の採用競争力が低下する可能性もあるでしょう。採用プロセスの遅れを防ぐため、内定者との円滑なコミュニケーションを確保し、トラブルが発生しない体制の整備が重要です。
人員不足による費用増加のリスク
内定取り消しや採用遅延が発生すると、人員不足によって業務負担が増加し、結果として費用上昇のリスクがあります。内定後に連絡が来ない応募者に対して、内定を取り消すケースでは、追加の求人広告や選考の手間が発生し、採用費用が膨らむでしょう。
また、既存社員の負担増加によって生産性が低下し、残業代や外部委託の費用がかさむことも懸念されます。こうしたリスクを回避するためには、採用計画を慎重に管理し、確実な人員確保が求められます。
内定後に連絡が来なくなることを防ぐ方法
内定後に連絡が途絶える事態は避けたいものですが、残念ながら完全に防ぐことは難しい場合があります。ただし、原因に応じて事前に予防策を講じることで、リスクの軽減は可能です。以下のポイントを参考に、内定承諾率を向上させましょう。
返答期限を明確に伝える
内定後に連絡が来ない事態を防ぐためには、内定承諾の期限を明確に設定した事前通知が重要です。1週間から1か月の期限を設けることが一般的で、内定者の意向を早期に確認しやすくなるでしょう。
また、期限内に連絡がない場合の対応方針を決めておくことで、採用計画の遅延を最小限に抑えられます。さらに、内定者は社員として扱われるため、就業規定の見直しを行い、音信不通となった際の自然退職や解雇事由に関する規定の明確化も有効です。
内定取り消しの対象行為を内定時に明示する
内定後に連絡が来ない問題を防ぐためには、内定取り消しの対象となる行為の事前明示が有効です。特に新卒採用では、学生側の認識不足によってトラブルが発生しやすいため、誓約書や承諾書に具体的な事由を記載して説明します。
例えば、虚偽の経歴申告や、企業との連絡を無視する行為が該当します。内定時に明確な基準を示すことで、企業と内定者双方の認識を一致させ、スムーズな採用プロセスを実現しましょう。
内定承諾書を取り交わしておく
内定者の入社意欲を維持するためには、内定通知書や内定承諾書を取り交わすことが効果的です。内定通知書は内定の正式な案内を伝えるもので、内定承諾書は内定者が内容を確認し、署名・返送する書類です。特に内定承諾書には、内定取り消しが可能な条件などを明記することで、双方の認識を一致させ、トラブルを未然に防ぐ役割を果たします。書面に署名を求めることで、内定者の入社への意識が高まり、「ただ内定をもらった」状態から「入社を決意した」のような気持ちの変化を促せるでしょう。さらに、書類を正式に交わすことで企業側への信頼感も生まれ、内定辞退の抑止力につながる点も大きなメリットです。
内定後の流れを共有する
内定後に連絡が取れなくなる理由の一つに、企業側と内定者の間で認識の相違が生じることがあげられます。コミュニケーションが不足していたりすれ違いが起きたりしていると、音信不通につながる可能性が高まります。そのため、内定後の流れを事前に明確に共有しておくことが重要です。
具体的には、入社日や必要書類の提出期限、返答の期限などを明確に伝え、両者の認識を統一しましょう。このようにしておくことで、すれ違いを防ぎ、音信不通のリスクを減らせます。
内定後フォローをする
内定後に内定者を適切にフォローアップする体制を整えることも大切です。定期的なフォローを行い、懇親会や勉強会の機会を提供することで、内定者が抱える不安を取り除くよう努めましょう。
内定者とのコミュニケーションをしっかりと取り、信頼関係を構築するとともに、疑問や不安を解消することが重要です。定期的に連絡を取り続けていれば、よほど特別な事情がない限り、連絡が途絶える事態を防ぐことが期待できます。
フィードバックの活用
内定後に連絡が来ないケースを防ぐためには、現役社員のフィードバック活用が有効です。内定者が連絡を途絶えさせる背景には、不安や懸念がある可能性が高いでしょう。過去の内定者がどのような点に不安を感じたのかをヒアリングすることで、採用プロセスの改善につなげられます。
入社前のフォロー体制が不十分だった場合、定期的な連絡や相談窓口の設置などを検討できます。フィードバックを基に適切な対応を行うことで、内定後の円滑なコミュニケーションを維持し、取り消しリスクを低減できるでしょう。
まとめ
内定後に連絡が来なくなってしまい、困っている採用担当の方もいることでしょう。内定の取り消しは法的に解雇の扱いであるため、判断が難しいところです。
事前に対策をして連絡が来なくなるリスクを少しでも減らし、採用活動を始めましょう。
「ABABA」なら業界No.1の内定承諾率を誇るため、活用することで内定後の音信不通を防げます。
◆ABABAの特徴
・最終面接まで進んだ優秀な学生だけにアプローチできる ・内定辞退者とのつながりも活用できる ・内定承諾率が業界No.1のため、内定取り消しのリスクを減らせる |
最終面接まで進んだ経験のある優秀層だけにアプローチするため、高い内定承諾率を誇ります。そのため内定後に連絡が来なくなる可能性も低く、内定取り消しを検討するケースも減らせるでしょう。
「ABABA」ではお祈りエール機能を使うことで、内定辞退者や不採用者ともつながりができて今後に活用できます。
学生に好かれる会社を目指せば、音信不通のリスクを大幅に軽減できるでしょう。
お役立ち資料では効率的な採用術を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。