採用面接の流れは?採用面接で意識するポイントや面接官に求められる役割を解説!

採用面接の際、どのような流れで進行すればよいのかが分からず、行き当たりばったりな対応をしてしまう面接官は少なくありません。また、採用面接における基準が定まっていなければ自社の求める人物像に適しているかどうかが分からず、何を軸にして判断すればよいのかが分からないでしょう。
本記事では、採用面接の基本的な流れをはじめ、面接官が意識するポイントや、どのような役割を担うのかをご説明します。
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採用面接の流れ
採用面接をスムーズに進めるためには、全体の流れをしっかりと意識したうえでの進行が大切です。一連の流れを押さえることで応募者の有益な情報を引き出しやすくなるため、面接官の負担軽減にもつながります。
ここでは、採用面接の流れとそれぞれのポイントをご説明します。
アイスブレイク
アイスブレイクとは、応募者の緊張をほぐし、場を和ませるための会話です。いきなり本題から入るよりも、面接とは関係のない日常的なテーマを話すほうが、その場の空気を和らげられるでしょう。
このとき、当たり障りのないテーマで話すことがおすすめです。
例えば、「自宅からここまではどの程度時間がかかりましたか」「弊社まで来られる際、道には迷いませんでしたか」など、志望動機や応募者の人柄などとは関係のない話をするとよいでしょう。
面接官の自己紹介・企業の説明
続いて、面接官の自己紹介や、企業に関する説明を行います。
「自社を志望する学生=企業への理解を事前に深めている」とは限りません。とくに一次面接の段階では、応募者からすれば「候補のうちの1社に過ぎない」といえます。
そのため、以下を参考にして簡潔に説明するとよいでしょう。
<自己紹介>
- 名前
- 課名や役職名
- 担当業務
〈企業説明〉
- 企業の沿革
- 主な事業内容
- 今後のビジョン
また、自己紹介や企業説明を分かりやすく伝えることで「丁寧な企業である」と評価してもらえるため、応募者へ好印象を残せるでしょう。
学生の自己紹介
アイスブレイクと自社の紹介を終え場の空気が和んだら、いよいよ応募者に答えてもらう番です。
まずは、応募者へ自己紹介をしてもらいましょう。このとき、相手の話し方や目線、表情など、これから共に働くうえできちんとコミュニケーションがとれそうかどうかも確認します。
また、自己紹介を求める際は、基本的に1分程度で話してもらうよう伝えましょう。
簡潔に分かりやすく話せているかや、ダラダラと話が長くなっていないかなどが評価するポイントです。
面接官から学生への質問
応募者の自己紹介を終えたら、面接官からの質問に答えてもらいましょう。履歴書や志望動機など、学生が事前に準備した内容に対する質問からはじめると、相手は緊張せずに答えやすくなります。
選考書類に記載された内容に虚偽や誇張がないかを確認し、自分の言葉で答えられているかを確認しましょう。このとき、場当たり的に聞くのではなく、絶対に聞きたいことや重要度の高い質問からはじめることがおすすめです。
そして、応募者の回答に対して深掘りし、内容を具体的に聞き出します。自社との認識のズレがないかや、応募者の将来像と企業がマッチするかなどを見極めることで、優秀な人材の早期確保につながります。
学生からの逆質問
面接官からの質問が終わったら、次は応募者からの逆質問に答えましょう。このタイミングで応募者の疑問点を解消しなければ、あとになって「◯◯が不安だからこの企業は辞退しよう」という事態につながりかねません。
さらに、逆質問では入社意欲を確認したり、採用後のミスマッチを防いだりできるため、必ず応募者が質問できる時間を設けるようにしましょう。
また、応募者が質問しやすい雰囲気をつくることも面接官の役目です。
例えば、面接中にあらかじめ「最後に質問する時間がありますので、どのようなことでも遠慮なくお尋ねください」と伝える方法もおすすめです。
今後の流れなどの事務連絡
面接の最後では、今後の進行や事務的な連絡を伝えます。
入社予定日やシフト体制、内定後のスケジュールなどを伝え、応募者に疑問点や不安点を残さないようしっかりと共有しましょう。
このとき、面接に参加してもらったことへのお礼を必ず伝えることが大切です。
また、複数社の選考を受ける学生も多いため、合否連絡の目安日程をしっかりと伝えましょう。
採用面接で面接官に求められる役割
採用面接において、面接官にはさまざまな役割が求められます。
ここでは、面接官が担う代表的な役割を2つご紹介します。
自社に合った人材であるかを見極める
面接官の大きな役割は、応募者が自社にマッチした人材であるかを見極めることです。履歴書や自己PRなどの書類だけでは、応募者がどのような人物なのかを判断できません。
そのため面接官は、応募者がもつ能力のほか、人柄や価値観など、定性的なことを会話のなかで見極めます。
さらに面接官には、応募者の話し方や聞き方、振る舞い方や表情などの非言語コミュニケーションを観察することで特性を確認し、適切な判断が求められます。
企業の顔としての自社の魅力をアピールする
応募者の多くが、面接で初めて「企業の内側」に触れるでしょう。そのため、面接官の印象がいわゆる「企業の顔」となり、どのようなアピールをするかで応募者の入社意欲を大きく左右すると考えられます。
面接後に「予想よりもよい会社だった」と好印象を受け入社意欲を向上するか、一方でその逆の気持ちをもつかはどうかは、面接官の対応によって変わるでしょう。
さらに、SNSが普及した現在では、面接官の印象の悪さや不快に思ったことを書き込み、それが多くの人の目に入る可能性があります。このような場合、企業のイメージが損なわれる危険性も十分に考えられるため、面接官には自社に対して好印象をもってもらえる対応が求められます。
採用面接で準備しておくポイント
採用面接をただ単に実施するだけでは、応募者の魅力を引き出せず、自社にマッチするかが分かりません。また、どのようなことを軸にして実施すればよいのかが分からなければ判断基準も曖昧になり、非常率的な採用面接が懸念されます。
ここでは、採用面接する前に事前に意識するポイントをご紹介します。
採用面接の目的を明確にする
採用面接にどのような目的があるのかを明確にしなければ、自社にふさわしい人材の確保は難しいでしょう。質問内容や評価ポイントは、目的によって異なります。
例えば、「中期的に育成する幹部の候補者」か「欠員補助のための即戦力となる人材」かで、評価や判断基準が変わるでしょう。
また、応募者が大学で専攻する内容と自社の業種がマッチし、基礎知識が事前に身についているとします。一見プラスに思える一方で、「今回の新卒採用でこれらは重視することなのか」は目的によって異なります。
採用基準をしっかりと見出すことで、面接の目的が明確に見えてくるでしょう。
評価軸を明確にする
面接官は、以下の2つを事前に明確にしたうえで採用面接に取り組むことがポイントです。
- どのような質問をするのか
- その回答に対してどのように評価するのか
質問する内容が行き当たりばったりな内容になると、重要なことが聞けなかったり応募者の特性が分からなかったりします。また、評価軸が定まっていなければ、結局その応募者を採用すべきかどうかが判断できません。
このような事態を防ぐためには、具体的な評価基準に基づいた面接評価シートを作成したり、質問事項をあらかじめ精査したりするとよいでしょう。
面接評価シートがあれば、応募者を公平に評価できるだけでなく、面接の安定化やクオリティの向上が期待できます。
魅力的な会社説明を考える
採用面接では、自社の情報を明確に把握し、応募者へ魅力的な会社説明ができるように準備しましょう。
面接では、応募者が企業に対して質問する可能性が考えられます。応募者の入社意欲を引き出すためには、質問にただ答えるだけではなく魅力的なアピールを盛り込むことが大切です。
例えば、会社概要や事業内容を丁寧に説明するだけでなく、「ビジョン」や「ミッション」などをしっかりと伝えることで、応募者へ魅力的なアピールができるでしょう。
面接前は、自社の情報への確認を徹底し、応募者へ好印象を与えられる会社説明を予め用意しておくことがおすすめです。
選ばれる側でもあると考える
採用面接は、面接官が応募者をジャッジするだけの場ではありません。
応募者も企業側を見極めているため、「選ばれる側」であることへの自覚が大切です。
企業のイメージは面接官の言動や態度によって大きく左右されます。そのため、言葉遣いや身だしなみには細心の注意をはらい、マイナスなイメージを与えないようにしましょう。
採用難が続く昨今では、複数の内定をもらったなかから入社する企業を選ぶ傾向にあるといわれています。
選ばれる企業になるためにも、応募者へ好印象を与えられるよう身だしなみや立ち振る舞いへの配慮が大切です。
面接官のNG行動
面接官が、応募者に不快感や恐怖心を与えることはNGです。面接官の印象は企業のイメージにつながるため、応募者への徹底した配慮が大切です。
ここでは、面接官のNG行動として最も気をつけたい2つをご紹介します。
高圧的な態度
面接官のNG行動は、高圧的な態度で応募者へ不快感を与えることです。
面接官の高圧的な態度は、入社意欲の減退や企業のイメージが下がることにつながります。
例えば、話に対して返事をしなかったり、強い口調で萎縮させてしまったりなど、応募者へ不快感や恐怖心を与える態度は禁物です。
面接は、あくまで「相互理解の場」です。面接官と応募者に上下関係はないため、常に対等であることを理解し、高圧的な態度や言動は慎みましょう。
モラルに反する言動
面接官は、モラルに反する言動は避けたほうがよいとされています。
採用面接は、一人ひとりの人権を尊重し、応募者の適性や人権に基づいて選考します。モラルに反するような公平性に欠ける質問は、就職差別をする企業と見受けられるため、控えたほうが無難です。
また、応募者の緊張感を和らげたいあまりに、くだけすぎた態度で接しないよう注意が必要です。あまりにもフレンドリーな雰囲気は、応募者に失礼な印象を与えます。
モラルに反する言動は、場合によってはセクハラやモラハラとも捉えられるため、企業を代表としての自覚をもって対応しましょう。
採用面接で使用できる質問例
採用面接では、候補者の能力や適性を見極めるためにさまざまな質問が活用されます。適切な質問を用意することで、候補者の素質や入社意欲を正しく把握しやすくなるでしょう。
ここでは、採用面接で使用できる質問例について紹介します。
アイスブレイクとして用いる質問
採用面接の冒頭では、候補者の緊張をほぐし、リラックスした状態で話してもらうことが重要です。そのために、アイスブレイクとして天候や交通手段に関する質問が効果的です。
例えば、「今日はどのようにお越しになりましたか?」や「最近、気温の変化が激しいですが、体調はいかがですか?」などの質問が挙げられます。このような会話を通じて自然にコミュニケーションを取り、話しやすい雰囲気をつくることで、その後の質問にもスムーズに答えやすくなるでしょう。
履歴書に関する質問
採用面接では、候補者の経歴や人物像をより深く理解するために、履歴書の内容に関する質問をします。大学での研究内容やサークル活動、アルバイト経験について尋ねることで、どのような価値観や経験を持っているのかを把握可能です。
例えば、「大学ではどのような研究に取り組んでいましたか?」や「アルバイトを通じて学んだことは何ですか?」などの質問をすると、候補者の努力や成長のプロセスが見えます。具体的なエピソードを引き出しながら、仕事への活かし方を確認しましょう。
入社意欲・志望動機に関する質問
企業への理解度や入社意欲を確かめるために、採用面接での志望動機に関する質問は欠かせません。「当社を志望した理由を教えてください」や「当社の印象をどのようにお持ちですか?」などの質問を通じて、候補者がどの程度企業研究をしているのかを判断できます。
また、「当社で挑戦したいことは何ですか?」の質問を加えることで、将来的なビジョンや適性も見極められます。回答の具体性や熱意を確認し、企業の求める人物像とマッチするかを見極めましょう。
仕事に対する価値観を確認する質問
採用面接では、候補者の仕事に対する価値観の確認が重要です。例えば、「どのようなときにやりがいを感じますか?」や「仕事をするうえで最も大切にしていることは何ですか?」などの質問を通じて、モチベーションの源泉を探れます。
また、「会社選びで重視しているポイントを教えてください」と質問することで、企業文化や働き方に対する考え方を知ることが可能です。このような質問を活用して、企業との相性をしっかりと見極めましょう。
自己分析力と人間性を確認する質問
採用面接では、候補者の自己認識や人間性を把握するために、自己分析に関する質問をします。「あなたの長所と短所を教えてください」という質問では、自己理解の深さを確認できます。
また、「友人や同僚からどのような人だと言われますか?」と尋ねることで、周囲との関わり方やコミュニケーションの特徴を知れるでしょう。このような質問を通じて、候補者の性格や価値観が職場に適しているかを判断し、チームの一員としての適性を見極めます。
キャリアプランに関する質問
候補者の将来のキャリアビジョンを把握することは、長期的な活躍を期待するうえで欠かせません。採用面接では、「今後、どのようなキャリアを築きたいですか?」や「当社で挑戦してみたい仕事はありますか?」などの質問を通じて、目標意識や成長意欲を確認しましょう。
また、「5年後、10年後の理想の姿を教えてください」と問いかけることで、長期的な視点でのキャリアプランを探れます。企業の方向性と候補者の希望が一致するかの見極めが大切です。
採用時に重視するスキルや能力を測る質問
採用面接では、候補者のスキルや能力が業務に適しているかの確認が求められます。特に、コミュニケーション能力や問題解決能力、ストレス耐性などは、多くの職種で重要視されるスキルです。
「困難な状況をどのように乗り越えた経験がありますか?」や「チームで協力して成果を出した経験を教えてください」などの質問を通じて、具体的なエピソードを引き出しましょう。過去の経験から候補者の強みを見極め、企業の求める人材像と合致するかの判断が重要です。
採用条件を確認する質問
採用面接では、候補者とのミスマッチを防ぐために、採用条件について明確な確認が重要です。例えば、「当社の勤務時間や残業について問題はありませんか?」や「休日出勤の可能性についてどのようにお考えですか?」などの質問をし、労働条件に対する理解を深めてもらいます。
また、「給与や福利厚生について不明な点はありますか?」と尋ねることで、候補者の希望を把握できます。このような質問によって、入社後のギャップを最小限に抑えましょう。
逆質問を促す質問
採用面接の最後には、候補者へ逆質問を促すことで、企業や業務への理解を深める機会が提供できます。「何か質問はありますか?」と尋ねることで、候補者がどのような点に関心を持っているかを確認できるでしょう。
また、「最後に伝えたいことはありますか?」と質問をすることで、候補者の意欲や企業への期待を引き出せます。逆質問の時間を活用し、候補者が不安なく入社を決められるよう、丁寧な回答が大切です。
面接官が気をつけたい!タブーな質問や話題
面接では、応募者へ聞くことを避けたほうがよい質問や話題があります。万が一タブーな質問をした場合、応募者に悪い印象を与えるだけでなく、候補から外される可能性もあるでしょう。
ここでは、応募者へのタブーな質問や話題について詳しくご説明します。
採用面接では、応募者の適性や能力に関係のない質問を避けることが求められます。厚生労働省の『公正な採用選考の基本』では、家族構成・信条・出生地などの質問は不適切とされています。公平な面接を行い、応募者に不信感を与えないようにしましょう。
本人に責任のない事項
面接官は、本人の責任に関与しないことへの質問を控えましょう。
面接官は、常に公平性を保ったうえで応募者に対応します。また、採用の際は、応募者のもつ能力や適性に関わる質問を通して人材を見極めます。
そのため、以下のような質問は禁物です。
- 本籍地や出生地
- 家族の情報(仕事や年収、勤務先や職種など)
- 住居状況(持家や賃貸、間取りや近郊施設など)など
これらはすべて、応募者の適性や能力に一切関係ありません。
面接はあくまで応募者の人柄を把握し、自社とマッチするかを見極める場であるため、本人に責任のない質問は避けたほうが無難です。
思想信条に関わる事項
面接官が思想信条に関わる質問を行うことは、タブーとされています。
そもそも思想信条は日本国憲法第19条にもある通り、一人ひとりが何を考え、何を大切に思うかは自由であると保障されています。
そのため、個人の自由であり、他人から干渉されたり強制されたりしてはならない事柄についての質問は、応募者に不快な気持ちを与えかねません。
タブーな質問としては、以下のようなものがあげられます。
- 宗教や思想
- 信条する言葉
- 社会運動(労働組合や学生運動など)
- 購読新聞
- 支持政党 など
これらは個人の自由であり、面接官や企業が関与するものではありません。応募者からプライバシーの侵害と捉えられる可能性もあるため、面接で聞くことはNGです。
男女差別やハラスメントにつながる事項
面接において、男女差別やハラスメントと捉えられる質問は応募者へ悪印象を与えます。
男女雇用均等法に抵触する質問や、体系や年齢に関わるデリカシーのない発言はNGです。
このような質問をすると、応募者は非常に大きな不快感を覚えます。また、「入社後も嫌な質問をされるのでは」と不安になり、その企業を候補から外しかねません。
質問の例としては、以下のようなものがあげられます。
- 結婚や出産の予定
- 交際相手や配偶者への質問
- 応募者の容姿や年齢 など
これらの質問は、入社後の男女差別やハラスメントを彷彿させます。たとえ面接の場が和やかで互いに話しやすい雰囲気だったとしても、応募者への質問はタブーと考えられます。
まとめ
採用面接において面接官は、対話のなかで応募者の性格や価値観を見極め、自社にふさわしい人物かどうかの判断が求められます。また、応募者の多くが面接ではじめて企業の内面に触れるため、面接官は「企業の顔」としての自覚をもったうえで自社の魅力を伝えなければなりません。
これ以外にも面接官にはさまざまな役割があり、業務内容は多岐にわたります。
採用面接にかかる時間や工数が多いほど、そのぶん面接官への負担が懸念されます。
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