新卒をうまく採用できない理由は?採用の現状や成功のポイントを解説

採用活動に費用や人員を十分に割けない企業は、「新卒をうまく採用できない」と悩むことも多いでしょう。新卒採用を円滑に進めるには、現状の問題点を知ることが大切です。
この記事では新卒採用を成功させる方法や中小企業の新卒採用の現状について解説します。
自社で新卒をうまく採用できない場合は外注サービスを利用することも1つの手段です。株式会社ABABAは企業が新卒をスカウトするシステムを提供しています。興味がある方はぜひご覧ください。
2025年新卒の採用状況
採用状況を改善するには、近年の採用活動はどのような傾向があるのかを把握することが重要です。
ここからは、2025年新卒の採用状況についてのデータを紹介します。
採用活動改善の参考として活用しましょう。
高い内定率と複数内定の取得
株式会社リクルートによる調査では、2024年12月時点で内定取得済みの新卒予定者は全体の96.6%いるとされました。
この数字はここ10年で最大とされ、内定獲得の早期化が進みつつあることがうかがえます。
また、12月時点で2つ以上内定を取得した新卒予定者の割合は65.6%と、こちらも近年で最大の数値だといわれています。
新卒予定者1人に対して平均1.57社へ内定を辞退している計算になり、企業側としては、今後内定辞退される確率をどのように減らすかが大きな課題となるでしょう。
12月時点において就職活動を継続中の新卒予定者の割合は4.6%で、低い数値にとどまっています。
これらのデータを総合すると、就職活動の早期化や内定辞退の増加などがうかがえるでしょう。
長引く採用選考と満足度の低下
企業側の採用状況へ目を移すと、株式会社キャリタスが2024年10月に行った調査では、57.9%の企業がまだ採用選考を終了していませんでした。
この割合は、2021年卒の採用活動のあたりから上昇傾向が続いているとされます。
また、この採用選考の長引きについては、64.8%の企業が予定にない状況としており、企業側は採用に苦戦する傾向が強まっています。
加えて、新入社員を採用できた企業でも、77.0%の企業が人材の質や量に不満があると答えました。
また、採用活動を振り返って「とても厳しい」答えた企業は39.0%で、過去最大です。
「とても厳しい」「厳しい」を併せると、全体の8割以上が採用活動に苦戦したことが分かります。
中小企業における新卒採用の現況
新卒採用はすべての企業で順調に進められているわけではありません。大手企業だけでなく、中小企業でも重要な課題です。中小企業は新卒を採用できないことも多く、採用活動の工夫が求められています。
ここでは、中小企業における新卒採用の現況について紹介します。
中小企業に就職する新卒者は増えている
調査実施時点における就職確定者が入社予定の企業を見ると、100人未満の規模の企業は8.2%、100人から299人以下の企業が13.5%です。
このような中小企業に就職する新卒者は、去年よりも増加しているとされます。
「就職先を決める際に最も決め手となった点」についての回答では、最も多かったのは「自らの成長が期待できること」、次に多かったのは「希望する地域で働けること」でした。
これらのデータから、学生が志望する就職先は必ずしも大企業のみというわけではないことがうかがえます。
すべての中小企業で新卒採用が順調なわけではない
中小企業の新卒採用は決して容易でなく、募集したが採用できない場合も少なくありません。中には、新卒採用を実施し採用に至らなかった企業が4割を超えたデータなどもあります。現状より、大手企業に人気が集中し、知名度の低い企業は応募者が集まりにくいことが現状です。
また、新卒採用には一定の費用や手間がかかるため、十分なリソースを確保できない企業も多く、結果として新卒採用が難航する要因といえるでしょう。
新卒採用に悩む中小企業が抱える問題
新卒を採用できない中小企業の多くは、母集団の形成に課題を抱えています。就職サイトに求人を掲載するだけでは応募が集まらず、説明会の参加者が少ないことも珍しくありません。
また、選考途中や内定後の辞退も多く、採用に成功しても入社後、早期離職することも多いです。新卒採用の課題を解決するには、自社の魅力を効果的に発信し、学生との接点を増やすなどの工夫が求められます。
新卒をうまく採用できない理由
新卒をうまく採用できない理由の1つとして会社の採用体制が整っていないことがあげられます。ここでは、採用がうまくできない原因を3つの観点から解説します。
社内での施策が不十分
新卒採用における施策が不十分だと失敗する可能性が高いといえます。具体的な問題点は以下の通りです。
- 他部署からの協力が得られない
- 採用基準が統一されていない
- 市場や競合を分析していない
- 自社の強みを理解していない
新卒採用は、会社の未来を担う人材を確保し、企業を発展させるための重要な役割を果たします。採用に関する課題は、担当者だけで抱えず、社内一丸となって取り組みましょう。
知名度が低い
知名度が低いことも理由の1つです。なぜなら、自社の知名度が低いと他の求人情報に埋もれてしまうためです。
大手企業と並んで求人が掲載されていると、知名度のある大手企業の方が目に留まります。そのため、知名度が低いことで自社の求人が埋もれて新卒が集まりません。
とはいえ、求人戦略を練り直すことで知名度が低くても応募は集まります。自社の魅力を適切に発信して企業ブランディングに努めましょう。
担当者を登用していない
採用担当者は採用活動を円滑に進めるために欠かせない存在です。新卒の採用がうまくいかない企業は、採用担当者が不在のケースが多々あります。
他の仕事と兼任しながら採用活動をする場合と、専任で取り組む場合では、採用に費やせる時間が異なります。採用スキルや判断力に差が出るといえるでしょう。
また、片手間で採用活動をすると、応募者との連絡やスケジュール管理などに問題が起きるリスクもあります。
採用に予算を回していない
採用活動には、求人広告の掲載費や人材派遣の紹介料、採用担当者の人件費などさまざまな費用がかかります。採用活動にかかる予算が少なすぎると、納得のいく宣伝や採用活動ができなくなるでしょう。
予算を抑えながら採用活動に取り組むには、自社に適した採用手段を選ぶことが重要です。自社が求める人材にアプローチできる方法を考え、ターゲットを絞った採用活動をすれば、予算だけでなく時間の削減にもつなげられます。
選考のスピードが遅い
新卒に限らず、求職者は複数の企業への応募が一般的です。そのため、選考や連絡が遅れると、それだけ辞退されるリスクが高まります。
採用担当者は、他の業務との兼任がほとんどです。他の業務のスケジュールや、候補者の人数が多いと選考に時間がかかります。
しかし、選考に時間がかかれば合否連絡の前に他社への入社を決めたり、他社からの内定を承諾したりする可能性があります。優秀な人材を逃さないよう、早期に合否連絡をすることで選考スピードを早めましょう。
面接のスキルが不足している
面接官が人材の見極めをできていないことも、理由の1つとして考えられます。これは、自社に合う人材を採用できず、ミスマッチが生じるケースです。
ミスマッチが起きると、内定辞退や早期離職につながります。自社に合うか、採用後戦力として活躍するかなど、人材の見極めが重要です。
まあ、態度が悪い面接官は会社の評判を落とす危険性があります。威圧感がある面接官を配置した場合は、面接官の見直しを検討しましょう。
最近の新卒学生の志向
2025年度新卒の志向を見てみると、大手企業志向の人の割合は53.7%と全体の半数以上を締める結果となりました。
一方、やりたい仕事であるかどうかを重要視する学生が多く、やりがいがあれば中小企業を目指したいと考える人は増加傾向にあります。
新卒が職場に求める条件は以下の通りです。
- 安定して働ける
- やりたい仕事ができる
- 楽しく働ける
- 給料がよい
- 福利厚生が充実している
給料面よりも職場環境やプライベートとの充実を重視する声が多いといえます。
参考:マイナビキャリアリサーチLab「2025年卒大学生就職意識調査」
新卒採用を成功させるポイント
新卒採用を成功させるには、うまくいかない原因を考え、改善する必要があります。ここでは成功させるための8つのポイントを紹介します。
求める人材を明確にする
自社にどのような人材が必要か、どのようなスキルを求めるかを明確にすることが重要です。求める人材が曖昧だと、ターゲットを絞れず採用活動に時間がかかるでしょう。
配属予定の現場の意見や、経営陣の意見も取り入れながら、できるだけ具体的な人物像を設定します。社内環境を見つめ直し、不足しているスキルや経験、社風に合う人物の特性を明確にしましょう。現在社内で活躍している社員を参考にすることもおすすめです。
職場の環境を改善する
職場の環境を整えることも重要です。新卒が行きたくないと思う企業の特徴を以下にまとめました。
- ノルマがきつい
- 転職が多い
- 雰囲気が暗い
- 休日がとれない
新卒は「楽しく働きたい」「プライベートと仕事の両立をさせたい」という考えを持つことが多く、働きやすい環境が企業選びに不可欠な要素となっています。自社の福利厚生や労働時間は、ワークバランス重視の新卒世代から見て魅力的に映るかかどうかを見直しましょう
多様な働き方を導入する
新卒採用を成功させるには、働き方に柔軟性を高めることが有効です。例えば、テレワークやフレックスタイム制を導入することで、学生にとって魅力的な職場環境を提供できます。
また、子育て支援制度を充実させることで、将来のライフプランを考慮する学生の関心を引けるでしょう。働き方の選択肢を広げることで、より多様な人材が確保しやすくなるため、新卒採用には、柔軟な制度整備が必要不可欠です。
自社の魅力を発信する
新卒の採用がうまくいかない企業は、自社の魅力を上手に発信できていない可能性があります。競合他社と比べたうえで、言語化して伝えられるように自社の魅力を洗い出しましょう。
また、自社の魅力や仕事のやりがいを学生に向けて発信することも大切です。インターンシップや自社サイトを通じて、自社の魅力を知ってもらえるように工夫しましょう。最近ではSNSを通じてユニークな方法でアピールする会社も増えています。
自社の魅力が伝わり、身近に感じてもらえるような発信力は採用活動の強みとなります。
採用活動の開始時期を検討する
採用活動の開始時期を見直すことも1つの手です。
大企業との競合を避けるために、採用活動の開始を遅らせることがあります。しかし、採用活動を遅らせることは母集団が形成できない原因になりかねません。
採用手法を適切なものにしたり、求人内容を見直したりすることで、中小企業でも母集団を形成できます。
インターンシップやスカウトメールで、早期の接触を試みることもおすすめです。
応募者とのコミュニケーションの機会を増やす
なるべく応募者とコミュニケーションをとりましょう。
応募者とのコミュニケーション不足は、選考辞退や内定辞退につながります。これは、コミュニケーションが不足することで不安を感じたり、信頼関係を構築できなかったりするためです。
オンライン・オフラインを問わず、応募者とコミュニケーションできる機会を増やしましょう。ただし、採用担当者のみで多くの応募者とこまめにコミュニケーションをとることは困難です。複数人で協力して、定期的にコミュニケーションをとれる環境作りの構築を目指しましょう。
内定後フォローを手厚くする
内定後のフォローを手厚くすることも非常に重要です。
内定をもらった後、学生は「この企業でよかったのだろうか」「自分はやっていけるのだろうか」と不安に思う可能性があります。不安を相談できずに一人で抱えたままの状態だと、内定辞退につながるでしょう。内定辞退者がでると企業に大きな損失をもたらします。
内定辞退を防ぐには、内定後のフォローが欠かせません。内定者同士を集めた交流会や研修などを定期的に開催したり相談できる窓口を設けたりして、不安を解消できる場を準備しましょう。
新卒以外にターゲットを広げる
新卒は人数が限られます。そのため、あえて新卒以外にも目を向けることで応募が増える可能性もあります。
例えば、第二新卒や外国人にターゲットを広げることがおすすめです。第二新卒や外国人は、採用活動を特定の時期に集中させる必要がないため、採用を効率的にできるメリットがあります。
ただし、特に外国人を雇用したことがない場合、受け入れ態勢の整備が重要です。日本人ばかりの職場でも、働きやすいと感じてもらえるように工夫しましょう。
新卒採用に向けた採用手法
新卒採用を成功させるには、適切な採用手段が重要です。求人広告の活用や人材紹介サービスの利用、就活イベントへの参加など、複数の手法を組み合わせることで、より多くの学生にアプローチできるでしょう。
ここでは、新卒採用に向けた採用手法の詳細について解説します。
求人広告
新卒採用をする際、求人広告の活用は基本的な手段の1つです。求人サイトや求人誌の情報掲載によって、多くの学生に企業の魅力を伝えられます。新卒を採用できない企業は、ターゲットに合った求人媒体の選定が重要です。
企業の強みや働きやすさを具体的にアピールすることで、応募者の関心を引けるでしょう。ただし、掲載するだけでは十分な効果が得られない場合があるため、他の採用手法との組み合わせが求められます。
人材紹介サービス
新卒が採用できない企業の課題に、求める人材に出会えないことが挙げられます。その解決策の1つが、人材紹介サービスの活用です。就職エージェントを利用すれば、企業の採用要件に合った学生を紹介してもらえます。
エージェントは候補者の適性を事前に判断し、企業とのマッチングをサポートするため、採用の成功率を高められる可能性があります。新卒採用において、効率的に適した人材を確保する方法といえるでしょう。
就活イベント
新卒を採用できない企業は、合同説明会や就活イベントなどの参加も有効です。多くの学生と直接交流できるため、自社の魅力を最大限に伝えられます。
学生にとっても企業の雰囲気を知る貴重な機会のため、エントリーにつながる可能性が高まるでしょう。一方で、他社と比較される場でもあるため、印象に残るプレゼンテーションや魅力的なブース作りが求められます。効果的な活用で、新卒採用の成功率を高められるでしょう。
SNS採用
新卒を採用できない企業の課題として、ターゲット層へのアプローチ不足が挙げられます。その解決策の1つがSNS採用です。TwitterやInstagram、LinkedInなどを活用し、企業の魅力や社内の雰囲気を発信することで、学生に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
また、採用担当者が直接コミュニケーションを取ることで、より親しみやすい印象を与えられます。SNSを通じた積極的な情報発信が、新卒採用の成功につなげられます。
リファラル採用
新卒を採用できない企業は、リファラル採用に是非取り組んでください。リファラル採用とは、既存の社員や内定者の友人・知人を紹介してもらう採用手法であり、企業とマッチしやすい人材を確保できるメリットがあります。
紹介者を通じて企業の情報を事前に知れるため、入社後のギャップを減らし、定着率を高める効果が期待できます。信頼関係を基盤とした採用方法として、注目されている手段です。
ダイレクトリクルーティング
新卒採用を成功させるためには、応募を待つだけではなく、企業側からの積極的なアプローチも必要です。ダイレクトリクルーティングは、企業が就職サイトやSNSを通じて、条件に合う学生へ直接スカウトする採用方法のことです。
従来の求人広告とは異なり、企業側が主体的に優秀な人材を確保できる点が特徴です。特に新卒を採用できない企業にとっては、ターゲットを絞った効率的な採用活動につながる可能性があるでしょう。
まとめ
中小企業の多くは、予算や人員不足などさまざまな理由から、新卒の採用がうまくできないという悩みを抱えています。新卒の採用に力を入れたい場合、適切な予算計画を行い、採用活動に集中して取り組む専任の担当者を決めましょう。
また、自社の労働環境が新卒に魅力的に映るかどうかを考え、体制を見直すことも重要です。自社が求める人材像を明確にし、魅力をアピールできるような施策を社内全体で考えてください。
新卒の採用がうまくいくかどうかは今後の企業の繁栄に大きく影響します。効率よく採用活動に取り組み、自社の求める優秀な人材を見つけるには、外部サービスの利用がおすすめです。前述のとおり、株式会社ABABAは優秀な新卒だけをスカウトできるサービスです。
◆ABABAの特徴
・ライバル企業の最終面接を受けた優秀な人材に対してアプローチできる ・同業他社を志望している就活生の場合、希望業界や思考性に共通する部分もあり、無駄なく効率的にスカウトができる ・新卒をうまく採用できない企業でも効率良く、精度の高い採用活動ができる |
45,000人以上の就活生が利用しており、内定承諾率は67%と非常に高いといえます。
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また、以下の資料ではスカウト採用を成功に導く方法を紹介しています。新卒をうまく採用できないと悩んでいる採用担当者の方はぜひご覧ください。