不採用メールを作成・送信するときの注意点とマナー|例文も紹介!

不採用メールを送るときは、応募者への配慮と丁寧な言葉遣いが大切です。配慮に欠けたり誤った言葉遣いでメールを送付すると、会社への印象を悪くするだけでなく信頼を失いかねません。
この記事では、不採用メールの作成にあたって、事前に知っておきたいことや注意したいポイント、例文のテンプレートについて詳しく紹介します。
また、株式会社ABABAでは、採用活動におけるお役立ち資料を豊富に揃えています。気になる方は、ぜひご覧ください。
不採用メールを送る目的
不採用メールを送るときは、単に応募者に結果を伝えるだけではいけません。
応募者が不快な気持ちになったり企業に対して悪い印象を持ったりしないように、必要なことを過不足なく伝える必要があります。
ここでは、不採用メールを送る目的について解説します。
結果の伝達
不採用通知メールにおいて、最も重要なことは誤解なく選考結果を伝えることです。
採用活動を行っている企業には、合格者にのみ結果を通知するというところも少なくありません。
しかし、不採用だからといって結果のメールを送らないと、応募者は企業に対して不満を持つことが多いといえます。
また、不採用通知が届かないと、結果の分からない選考に気を取られて、その後の選考に影響が出る学生もいます。
この観点から、不採用であっても結果通知のメールは可能な限り送るべきだといえるでしょう。
応募への感謝
不採用メールであっても、合格者に送るメールと同様に応募への感謝は必要です。
特に近年は多くの企業で人手不足が進み、企業側も学生から「選ばれる立場」になりつつあります。
選考結果の通知メールでは内容に関わらず、数ある企業からその企業を選んで応募してくれたことについて感謝を述べるようにしましょう。
選考結果だけを伝えるメールでは、読み手に冷たい印象を与えます。
不採用であっても感謝を伝えて適切な通知を行う行為は、採用活動を行う企業としての義務であるといえます。
企業イメージの維持
不採用になった学生への否定的な言葉や冷たい印象の文章は、その企業全体のイメージ悪化につながる可能性があります。
近年は応募者への対応が口コミサイトやSNSなどで発信されることもあり、悪い評判が広まるとその年度だけではなく後々の採用活動まで影響を及ぼす可能性があるでしょう。
そのため不採用メールは、内容や送信タイミングについて細心の注意を払いながら送らなくてはなりません。
不適切な対応は、次年度の採用活動や企業全体の活動につながることを意識しましょう。
不採用メールに記載する内容
不採用メールには、応募者への感謝の気持ちを伝えるとともに、選考結果を丁寧に通知することが大切です。また、今後のご縁を大切にするためにも、誠意のある言葉を選び、応募者に不快感を与えないよう配慮することが重要です。くわしく解説します。
件名
件名は簡潔で分かりやすいことが適しています。応募者は多くの選考関連のメールを受け取るため、一目で内容が分かるようにしましょう。例えば、「【選考結果のご連絡】○○株式会社」など、結果通知と企業名の明記が効果的です。
宛名
メールの冒頭には、応募者のフルネームを正しく記載しましょう。名前の誤記は失礼にあたるため、送信前にリストと照らし合わせ、必ず確認しましょう。また、個人情報の一部であるため、社内での取り扱いにも十分注意を払いましょう。
挨拶とお礼
採用・不採用に関わらず、結果を通知する際は、応募者への感謝の気持ちを伝えましょう。不採用通知メールは会社を代表して送る公式なものです。誠意を持った丁寧な表現が求められます。応募や面接に時間を割いてもらえたことへの謝意を示すことで、企業の印象を損なわず、良好な関係を築くことができます。
選考結果
選考結果を明確に伝えることは大切ですが、表現には配慮が必要です。「不採用」や「不合格」などのような直接的な言葉は避け、「慎重に検討を重ねた結果、今回は採用を見送らせていただくこととなりました」などの柔らかい表現を用いましょう。また、遠回しすぎると意図が伝わりにくくなるため、簡潔で丁寧な言い回しを心がけることが重要です。
応募書類の扱い
不採用となった応募者の履歴書や職務経歴書などの個人情報をどのように取り扱うかを明確に伝えましょう。個人情報保護の観点から、応募者に信頼感を持たせる必要があります。書類の取り扱い方法としては、企業側で責任を持って破棄するか、応募者に返却するかのいずれかが一般的です。返却が難しい場合は、「当社で責任を持って適切に破棄いたします」と明記し、対応方法をしっかり伝えることが大切です。
結び
不採用の結果を伝えた後は、応募者への配慮として、今後の活躍を願う言葉を添えましょう。例えば、「〇〇様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」などの表現を用いると、応募者に対する敬意が伝わります。また、「本来であれば直接お伝えすべきところ、メールにて失礼いたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。」と一言添えることで、より丁寧な印象を与えられます。
署名
署名部分には、会社名、部署名を必ず記載しましょう。必要に応じて担当者の名前をフルネームで記載し、連絡先や電話番号を明記すると、応募者が不明点を確認する際にスムーズに問い合わせができます。これにより、より丁寧で配慮のある印象を与えられます。
不採用通知メールの例文テンプレート
不採用をお知らせするメールでは、自社を選んでもらったことへのお礼や、応募者の心情を配慮した文面の作成が大切です。
ここでは、応募者の求職活動の状況に合わせた例文をご紹介します。
新卒採用の場合
最初に、新卒採用についての不採用通知の文例を紹介します。
こちらは、応募書類を返送しない場合の文例です。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
お世話になっております。△△株式会社採用担当の◯◯でございます。このたびは、弊社の新卒採用選考にご応募頂き誠にありがとうございました。
社内で厳正なる選考をいたしました結果、誠に残念ながら今回の採用を見送らせて頂く結果となりました。
ご応募頂いたことに深く感謝申し上げるとともに、何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、こちらでお預かりしました書類につきましては、弊社で責任を持って破棄させて頂きます。
未筆ではございますが、◯◯様のご健康ならびにこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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応募書類を返送する場合は、以下のような文例になります。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
△△株式会社、採用担当の◯◯と申します。
この度は、数ある企業から弊社へご応募いただき、誠にありがとうございました。
書類選考の結果につきまして、弊社にて厳正な選考を行いました結果、誠に残念ではございますが、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。
また、お預かりした応募書類につきましては、履歴書に記載されておりますご住所に郵送にて返却させていただきます。
〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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中途採用の場合
中途採用の場合も、基本的には新卒採用と同じ文面になります。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
お世話になっております。△△株式会社採用担当の◯◯でございます。このたびは、弊社の求人へご応募頂き誠にありがとうございました。また、お忙しい中選考にご足労頂き、大変感謝しております。
慎重に選考をいたしました結果、誠に残念ながらご期待に添えない結果となりました。
数ある企業の中から弊社へご応募頂いたことに、深く感謝申し上げます。
なお、こちらでお預かりしました書類につきましては、弊社で責任を持って破棄させて頂きます。
未筆ではございますが、◯◯様のご健康ならびにこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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パート・アルバイトの場合
パートやアルバイトの場合も変わりませんが、正社員採用よりも簡潔に書く傾向があるといえます。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
先日は、お忙しい中貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。厳正なる選考をさせて頂いた結果、残念ではございますが今回の採用を見送らせて頂く判断となりました。
なお、こちらでお預かりしました書類につきましては、弊社で責任を持って破棄させて頂きます。
未筆ではございますが、◯◯様のこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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面接で不採用になった場合
面接で不採用となった場合、応募者に対して感謝の意を示すことが重要です。面接に時間を割いて参加してもらったこと、企業に興味を持ち選考に進んでくれたことへのお礼を伝えることで、応募者の気持ちに配慮し、企業の印象を良く保てます。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
△△株式会社、採用担当の◯◯と申します。
この度は、数ある企業から弊社へご応募いただき、誠にありがとうございました。
また先日はお忙しい中、面接にご参加いただき、重ねて感謝申し上げます。
さて、書類選考の結果を踏まえ、面接にてお伺いした内容を基に検討いたしました結果、誠に残念ではございますが今回はご希望に沿いかねる結果となりました。
ご期待にお応えできず、大変申し訳ございません。
なお、お預かりした応募書類につきましては、責任を持って破棄させていただきます。
〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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最終面接で不採用になった場合
最終面接での不採用通知は、応募者に大きな落胆を与えます。そのため、感謝と敬意を持った対応が欠かせません。
不採用の理由を具体的に伝えることは避け、代わりに丁寧な感謝の言葉を述べましょう。「今後のご活躍をお祈りしています」という前向きな言葉で締めくくることが求められます。さらに、次回の選考や他のポジションでの応募を勧めることも、応募者に対する配慮を示します。
件名:【△△株式会社】選考結果のご連絡
◯◯様(フルネームで応募者の氏名を記載)
先日は、お忙しい中貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。
慎重に検討させていただいた結果、今回は誠に残念ながら、ご希望のポジションには不採用となりました。
お忙しい中、弊社までご足労頂いたにもかかわらず、このようなご連絡となり大変恐縮です。
しかし、(応募者様の名前)様のスキルや経験は非常に高く評価しており、今後の別のポジションや次回の募集において、ご案内させていただきたく存じます。その際にはご興味を持っていただければ幸いでございます。
なお、こちらでお預かりしました書類につきましては、履歴書の記載のご住所に返送させていただきます。
未筆ではございますが、◯◯様のこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
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△△株式会社人事部 採用担当◯◯
〒000-0000 東京都◯◯区〇〇町1-2-3
TEL 0120-123-456
◯◯◯@◯◯◯co.jp
http://◯◯◯
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不採用メールを送信する際の注意点
不採用メールを送信する際に確認を怠ると、会社への信頼が低くなるほか個人情報の漏洩につながる恐れもあります。
ここでは、不採用メールを送信する前に確認したいことを紹介します。
宛名とメールアドレスは入念に確認する
宛名は苗字だけではなく、必ずフルネームで記載します。応募者には同じ苗字の人もいるため、誤りがないよう慎重に確認しましょう。
誤送信を避けるためにも、同じタイミングで複数の応募者にメールを送信する際は、宛名とメールアドレスに相違がないかをよく確認してください。
また、テンプレートのまま送信すると、応募者は事務的に処理されたと感じます。SNSやインターネット上に不満を投稿して、会社の評価が落ちる恐れもあります。
受け取る側の気持ちを考慮し、入力漏れや誤りを防ぐ心がけを持ちましょう。
不採用連絡のタイミングに気をつける
応募者は、採用結果によって次の転職活動の計画を決めることがほとんどです。不採用のときは可能な限り早めに連絡しましょう。
不採用連絡を怠ると、応募者へ不誠実な印象を与えるほか、信頼を失う可能性もあります。
応募者は一生懸命仕事を探しています。面接から3日以内の連絡が望ましく、遅くとも1週間以内には伝えるようにしましょう。
応募段階にあった内容を送る
不採用メールを送る際は、件名だけで内容が分かるようにします。【選考結果のご連絡】のように、件名にすみつきかっこを用いて目立たせることもおすすめです。
また、不採用者が複数名いる場合でも、全員に同じ内容のメールを送らないようにしましょう。同じ内容やテンプレートを全員に送信すると、誤解を生む恐れがあり、悪い印象を与えかねません。
さらに、不採用メールでは応募段階に沿った内容の作成が重要です。
以下、例文を紹介します。
・書類選考で不採用になった場合:書類選考を慎重に重ねました結果、誠に残念ながら今回の採用を見送らせて頂くこととなりました。
・面接で不採用になった場合:面接でお伺いした内容を社内で熟考し、厳正なる審査をいたしましたところ、誠に残念ながら今回の採用を見送らせて頂くこととなりました。
言葉遣いに気を配る
不採用メールでは、企業を選んで応募してもらった志望者に対して、意向に沿わなかったことを伝えなくてはなりません。
そのため、メールの文面においては、応募者の心情や精神的負担に配慮する必要があります。
「不採用」と直接的な表現にせず、柔らかい表現・伝え方になるように工夫しましょう。
また、文章全体での言葉遣いも、冷たい印象になりすぎないようにし、応募者からの印象がよくなるように細心の注意を払う必要があります。
不採用通知の印象をよくするポイント
不採用通知は、応募者にとってショックな通知です。企業側がそこまで思っていなくとも、応募者側が「拒絶された」と捉えてしまうことも珍しくありません。したがって不採用通知では、応募者に少しでも柔らかい印象を与えることが重要です。
不採用通知の印象を柔らかくするポイントは「応募者の気持ちに寄り添うこと」です。
感謝の気持ちを伝える
不採用の通知ではあるものの、その結果だけを伝えることはおすすめしません。不採用である事実だけを伝えるよりも「自社に応募していただいたことへの感謝」として通知することで、印象は大きく変わります。
不採用の事実だけでも、応募者が自社に抱く印象が悪くなることは珍しくありません。応募者に悪い印象だけを与えないためには、結果の通知ではなく「応募へのお礼」としてメールを送ることが効果的です。
不採用の理由には触れない
不採用通知の際、直接的に不採用の理由に触れる必要はありません。不採用の結果だけを伝えたら、その理由までは伝えずとも問題はないでしょう。
もちろん「応募者の今後のことを思って、不採用の理由を明確に伝える」ことも、一概に間違いとはいえません。しかし応募者によっては、心の傷がさらに深くなることもあり、企業への悪影響も考えられます。
応募者への応援としてフィードバックしたい場合は、不採用理由を伝えるより、経歴や面接時でのよかった点などを伝えましょう。与える印象が柔らかくなるだけでなく、応募者へのポジティブな応援にもつながります。
今後を応援するメッセージを入れる
不採用を通知するだけで終わらず、応募者の今後を応援するようなメッセージがあると、与える印象は柔らかくなるでしょう。
不採用通知には、一般的に「〇〇様の今後のご活躍をお祈り申し上げます」という言葉が使われます。しかし多くの企業が不採用通知メールに盛り込むため、応募者のあいだでは「お祈りメール」として悪いイメージが抱かれています。
ありきたりな定型文を使わず独自のメッセージを心がけることで「相手のことを一人の人間として認めている」ことを伝えられ、よい印象を与えられるでしょう。
応募書類の取り扱いについて触れる
不採用メールでは不採用の旨を伝えるだけではなく、その後の対応についても触れなくてはなりません。
不採用者に伝えなくてはならない情報として重要なものの1つが、応募書類の取り扱いについてです。
応募書類には、さまざまな個人情報が含まれています。
不採用の場合、その後の特に取り扱いが気になる応募者は多いでしょう。
不採用メールでは、応募書類を応募者に返送するか、企業側で破棄するかを明確に記載しなくてはなりません。
不採用者との接点を維持したいときのポイント
近年では、企業が優秀な人材との接点を維持するため、タレントプールという手法を取り入れるケースが増えています。
タレントプールとは、将来的に採用の可能性がある人材をデータベース化して管理し、ポジションの空きや新たな募集が発生した際にすぐ連絡できる仕組みのことです。不採用者との接点を維持したい場合は、不採用通知を送る際にタレントプールを活用している旨を丁寧に伝えることがポイントになります。
不採用通知を受け取った人は、基本的に再応募することはありません。そのため、「今後もご縁があればご連絡させていただきたい」などのメッセージを添えることで、繰り上げ採用や再募集の際もスムーズにアプローチできるでしょう。
また、応募への感謝や応募者の魅力を具体的に伝え、今後の活躍を応援する姿勢を示すことで、企業イメージの向上にもつながります。不採用者との接点を維持したいならば、丁寧な対応を行い、応募者との良好な関係を保つことがポイントです。
不採用通知後に不採用の理由をメールで聞かれたときの対処法
不採用通知を受け取った応募者の中には、自分が採用に至らなかった理由を知りたい人もいます。次のステップへ進むためにも、不採用の理由を直接メールで伺うケースも少なくありません。
もしも、不採用通知後に不採用の理由を聞かれた場合、どのような対応をするべきか解説します。
基本的に不採用の理由は伝えなくても良い
採用担当者は、不採用となった応募者から理由を聞かれることがあります。しかし。企業には不採用理由を開示する法的義務はないため、基本的に不採用の理由は伝えなくても問題ありません。採否の判断は企業の裁量に委ねられており、理由を伝えない自由も認められています。
また、不採用理由を詳しく説明すると、応募者が納得せずトラブルに発展するリスクがあるため、詳細な説明は避けるべきです。
不採用の理由をメールで尋ねられた場合は、基本的に「社内規則によりご返答は差し控えさせていただきます」などの定型的な返答で問題ありません。
それでも説明を求められたときの対処法
応募者から不採用理由について強く説明を求められた場合でも、企業としては選考全体のバランスや人材要件を総合的に判断した結果であることを伝えるだけに留めましょう。
応募者の中から慎重に選考を重ねた結果であることを伝えることで、特定の能力や経歴が不足していたわけではないという配慮ができます。また、「不採用=能力不足」の印象を与えないように、経験やスキルは魅力的だったが、現時点での人材要件とは異なっていたなどの前向きな伝え方を心がけましょう。
応募者の努力や魅力を認めつつ、選考の結果であることを強調することで、納得感や誠実な印象を与えられます。
前向きな言葉を添えるのも効果的
不採用理由を問い合わせられた際は、トラブルを避けるために前向きな言葉を添えましょう。
たとえば、経験やスキルは魅力的であったことなど、応募者の努力や長所を認める姿勢を示しましょう。
また、「今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」など、未来を見据えた言葉を加えることで、誠実さや配慮が伝わり、企業イメージの向上にもつながります。
配慮ある対応をすることで。不採用となった応募者との良好な関係を保ち、将来的な再応募や紹介の可能性も高められるでしょう。
不採用メールは取り消すことも可能?
不採用メールを送信した後であっても、状況の変化や社内の再検討により、再び不採用者を採用することは可能です。
不採用者を採用に切り替えることで、即戦力の確保や採用コストの削減、短期間での入社など多くのメリットがあります。また、すでに選考を経ているため、手続きもスムーズに進めやすいです。
ただし、一度不採用通知を送った後に採用の意思を伝える際は、応募者への伝え方に十分な配慮が必要です。唐突な連絡や一方的な通知は、応募者に混乱や不信感を与える可能性があるため、再検討の経緯や理由を丁寧に説明し、誠意を持って対応しましょう。
メールや電話など複数の手段を活用し、応募者が納得できるよう慎重にコミュニケーションを取りましょう。
不採用者を再度採用するときの伝え方
不採用者を再度採用する際は、突然の連絡に戸惑う方も多いため、納得感や安心感を持ってもらえるような丁寧な対応が欠かせません。
再選考の理由や評価ポイントを明確に伝え、入社までの流れもわかりやすく案内することで、応募者が前向きに検討できる環境を整えることが重要です。
不採用者を再度採用するときの伝え方について解説します。
再選考の理由を丁寧に伝える
不採用者を再度採用する場合は、再選考の理由を曖昧にせず、丁寧に伝えましょう。状況の変化や新たなポジションの発生など、再選考に至った具体的な背景をしっかり説明することで、応募者に納得感を持ってもらいやすくなります。
また、単なるテンプレートではなく、応募者一人ひとりの経歴や面接時の印象などに触れた、特別感のあるパーソナライズした文章を心がけましょう。たとえば「前回の面接での〇〇のご経験が印象的でした」などの具体的なコメントを加えましょう。具体的なコメントが添えられていることで、誠意や本気度が応募者に伝わりやすくなります。
きめ細やかな対応は応募者の信頼を得るだけでなく、入社後のモチベーション向上にもつながります。再選考の連絡は、理由を明確かつ丁寧に伝え、応募者が前向きに再チャレンジできるよう配慮することがポイントです。
必要な人材だということを伝える
不採用者に再度採用を伝える際は、候補者がどのような点で評価されたのか、どんな能力や経験を魅力と感じて声をかけたのかを具体的に提示ましょう。
たとえば、面接で魅力を感じたことや、大きな戦力になると判断したことなど、応募者自身の強みを明確に示しましょう。応募者が必要な人材であるという説明をすることで、自分の能力が正当に評価されていると感じやすくなり、再度のオファーを前向きに受け止めやすくなります。
また、単なる人手不足や社内事情だけでなく、応募者の価値そのものを認めていることを伝えることは、相手のモチベーション向上や信頼獲得にもつながります。
再採用の連絡は、応募者一人ひとりに合わせたパーソナライズされた内容で、誠意を持って伝えることが大切です。
今後の流れを伝える
不採用者を再度採用する場合は、入社までの具体的なステップを丁寧に伝えてください。今後の選考プロセスや必要な書類、入社日程、手続きの流れなどをわかりやすく案内することで、不採用者が安心して準備を進められるようになります。
ただし、一度不採用通知を受けたことで、驚きや戸惑いを感じるケースも多いため、返答を急がせたり、強いプレッシャーを与えたりしないよう十分に配慮しましょう。
自分のペースで検討できるよう、不明な点は気軽に相談してほしいことや、検討したうえで返答してほしいことを伝えるとよいでしょう。
メールだけではなく電話も利用する
不採用者を再度採用する際の連絡は、メールだけでなく電話も活用しましょう。電話は応募者の反応を直接確認できるため、誠意を伝えやすく、関係性の強化にも効果的です。
また、電話ならば応募者の疑問や不安にその場で対応できるため、入社への意思や温度感を把握しやすくなります。
メールは手軽で効率的ですが反応が見えにくく、見落とされるリスクもあるため、再採用のような重要な連絡では電話を併用することが望ましいです。ただし、急な電話に対応できないケースもあるため、不在だった場合はメールやSMSでアポイントをとるとよいでしょう。
不採用通知メールに関するよくある疑問
不採用通知は、企業イメージや今後の採用活動にも大きくつながる業務です。以下で、不採用通知メールを送るにあたって採用担当者が悩みやすいポイントを確認しましょう。
不採用通知は必ず送らないといけない?
不採用通知に法的義務はないものの、通知しないことによる悪影響が大きいためおすすめしません。
「不採用だった応募者に通知をしないこと」を指す言葉として、求職者のあいだでは「サイレントお祈り」という言葉が使われています。求職者が抱く「不採用通知すらないまま放置されることへの不満」が、このような言葉を生み出したと考えられます。企業イメージの低下を防ぐためにも、不採用通知は送ることを検討しましょう。
人材紹介会社が間に入っている場合はどうする?
人材紹介会社やエージェントが間に入っている場合、不採用の理由を明確に伝えることが重要です。
「ピンとこなかった」「何か違う」などの曖昧な理由では、次の候補者の選定が難しくなり、採用活動が効率的に進みません。具体的なNG理由を共有することで、紹介会社が適切な人材を選びやすくなり、企業にとってもミスマッチを防げます。
透明性と具体性を意識したコミュニケーションを続けることが、理想の人材採用のポイントとなります。
不採用の理由を聞かれたら?
応募者から不採用の理由の問い合わせがあっても、正直に伝えることは避けたほうがよいでしょう。自社の選考基準が漏洩すると、今後の採用活動に悪影響が及ぶためです。
ただし、応募者の問い合わせに対して「一切答えられない」と無下に回答をすると、応募者が「突き放された」と感じるおそれがあります。応募者からの問い合わせには丁寧に回答しつつも具体的な内容は伝えず、オブラートに包んだ言い方に留めることが重要です。
不採用を電話で伝える場合は?
不採用通知は、メールで送ることが近年のスタンダードです。
どうしても電話で通知しなくてはならない場合は、基本的にはメールと同じようにマナーを守る必要があります。
特に、発信の時間帯やタイミングなどは適切にしなくてはなりません。
電話では直接会話するため、もし相手が感情的になったとしても冷静さを保つように努めましょう。
留守番電話で伝える場合は、会社名・名前・要件のみ残し、結果は伝えないようにします。
電話で伝えた場合も念の為、メールもしくは郵送で形に残すことがおすすめです。
まとめ
不採用メールでは、応募者に配慮した内容の作成と、宛名や文面への慎重な確認が大切です。
さらに、不採用メールを送信するタイミングや言葉遣いを誤ると、会社へのイメージダウンを引き起こす可能性があります。そのため、不採用メールを送信する際は、担当者だけでなく第三者にも確認してもらうことがおすすめです。
株式会社ABABAでは、不採用メールを「お祈りエール」にかえることで、将来の採用候補者を増やし、人事の負担を軽減するサービスを実施しています。
これに加えて、企業が優秀な就活生をスカウトできる自社独自のサービスの提供で、内定承諾率業界1位を誇っています。
現在では、1,400社を超える企業様に導入頂き、45,000名以上の就活生が利用中です。
◆ABABAの特徴
・ライバル企業の最終面接を受けた優秀な人材に対してアプローチできる ・同業他社を志望している就活生であれば、希望業界や思考性に共通する部分があり、無駄なく効率的にスカウトができる ・不採用通知を「お祈りエール」にすることで、応募したもらった就活生との関係をポジティブに保つ |
ABABAの「お祈りエール」を活用することで、採用担当者のストレス軽減にもつながります。
ABABAご利用の流れについてはこちらの動画をご覧ください。
また、株式会社ABABAのお役立ち資料では、応募者が次の選考へ進みたくなる「神面接」を無料でご紹介しています。ぜひ参考にしてください。