STAR面接手法で見抜く!本質を見極めるプロの質問術と実践ガイド

面接で候補者の本質を見抜くことは容易ではありません。表面的な回答や準備された言葉だけで判断すると、入社後のギャップやミスマッチにつながるリスクがあります。
そこで有効なのが、行動や経験を具体的に深掘りする「STAR面接手法」です。実際の状況や課題、行動、結果を本人の言葉で語ってもらうことで、価値観や思考プロセスを鮮明に把握できます。
STAR面接手法の基本からメリット、実践的な質問例や効果を高めるポイントまでを解説します。
そして、STAR面接のような高度な手法を最大限に活かすには、そもそも「見極める価値のある候補者」と会うことが大前提です。
「ABABA」には、他社の最終面接まで進んだ、能力・意欲ともに高い学生のみが登録できます。質の高い母集団に的を絞ることで、面接の精度をさらに高められます。
STAR面接手法とは
STAR面接手法とは、応募者の過去の具体的な行動を掘り下げることで、人材の特性や将来的なパフォーマンスを見極める面接手法です。
- Situation(状況)
- Task(課題)
- Action(行動)
- Result(結果)
上記の流れに沿って質問を行い、実際の経験や行動プロセスを聞き出す点が特徴です。別名「行動面接」とも呼ばれ、表面的な印象や抽象的な回答に左右されにくく、入社後に活躍できるかどうかを判断する材料を得やすい手法となっています。
このアプローチにより、知識やスキルだけでなく、性格や行動特性も浮き彫りになり、ミスマッチのリスクを減らすことも可能です。
STAR面接を取り入れるメリット
採用活動において、STAR面接を取り入れる主なメリットは以下の通りです。
- 本音を自然に聞き出せる
- 価値観を確認できる
- マッチ度の高い人材を採用しやすくなる
それぞれのメリットについての特徴を詳しく解説します。
本音を自然に聞き出せる
STAR面接では応募者が直面した過去の状況や課題、取った行動、結果を具体的に尋ねるため、本人の実体験に基づいた回答を引き出しやすい特徴があります。STAR面接の形式は、あらかじめ用意してきた模範的な受け答えよりも、実際の行動パターンや判断基準といった本質的な側面を明らかにできる点が強みです。
また、過去の経験を語ることは候補者にとって自然な流れになるため、緊張の緩和にもつながります。会話の中で本音を語りやすい雰囲気をつくることによって、応募者の価値観や性格が浮かび上がりやすくなります。
結果として、採用担当者は信頼性の高い情報をもとに人材の適性を見定められ、入社後に活躍する可能性を判断できる点が大きなメリットです。
価値観を確認できる
STAR面接を導入する大きな利点のひとつは、応募者の価値観や思考のパターンを深く理解できる点にあります。
一般的な面接でよく聞かれる「強みは何ですか」「学生時代に頑張ったことは何ですか」などの質問では、表面的な回答になりやすく、内面を的確に把握することが難しい場面も少なくありません。対してSTAR面接は、過去の具体的な行動や意思決定のプロセスを掘り下げるため、その人が大切にする価値観や判断基準を浮き彫りにします。
状況に直面した際の行動や結果からは、スキル以上に人となりや考え方が見えやすく、企業との相性を判断する有効な材料になります。
マッチ度の高い人材を採用しやすくなる
STAR面接では、応募者が過去に経験した状況を具体的に掘り下げることで、実際の行動や成果を確認できます。さらに実際の業務を想定した質問を盛り込むことで、入社後にも同様の成果を再現できるかどうかを見極めやすくなります。
STAR面接を通じて、候補者の行動特性と企業の期待とのずれを事前に把握できるため、採用後のミスマッチを減らす効果が期待できるでしょう。ミスマッチを抑えることは、早期離職の防止や定着率の改善にもつながります。
効率的に優秀層へアプローチする手段としては、最終面接経験者に絞り込んでスカウトできるABABAの活用も効果的です。面接手法とスカウトサービスを組み合わせることで、組織文化に適合した人材を採用する体制を構築できるでしょう。
STAR面接で本質を見抜く質問例
STAR面接では、以下の流れで候補者に質問をします。
- Situation(状況)
- Task(課題)
- Action(行動)
- Result(結果)
それぞれのプロセスについて解説するとともに、具体的な質問例をご紹介します。
Situation(状況)の質問例
STAR面接では最初に「Situation(状況)」を確認することで、応募者が置かれている環境や背景を正しく理解できます。
応募者が具体的にどのような場面で行動を起こしたのかを知ることで、回答全体の文脈が明確になり、評価の精度が高まります。とくにチーム規模や役割分担、制約条件など状況的要素を確認することは、再現性や適性を判断するうえで有効です。
【質問例】
- 当時、どのような環境や組織体制でしたか。
- そのプロジェクトにおける自分の役割は何でしたか。
- 課題に直面した状況を具体的に説明してください。
Task(課題)の質問例
STAR面接では状況の把握に続き、その中で応募者が直面した課題を掘り下げることが重要です。「Task(課題)」の質問によって、応募者がどのような問題を解決しようとしていたのか、また課題が発生した背景や原因をどのように認識していたのかを明らかにできます。
課題に対する理解力や優先順位の付け方が浮き彫りになり、入社後の実務における再現性をより正確に判断できます。さらに、困難に対する姿勢や物事を分析する力も確認できるため、適切な人材の見極めに役立つでしょう。
【質問例】
- その状況で最も大きな課題は何でしたか。
- 課題が生じた原因はどこにあると考えますか。
- 解決すべき課題をどのように特定しましたか。
Action(行動)の質問例
課題を把握したあとは「Action(行動)」に焦点を当てることで、応募者がどのように考え、実際にどのような行動を取ったか具体的に確認できます。
単に「課題を解決しました」という表面的な答えではなく、その際の思考プロセスや意思決定の根拠を掘り下げることが重要です。応募者の主体性やリーダーシップ、周囲との協調性も、行動を詳しく聴くことで見えてきます。
【質問例】
- その課題に対してどのような行動を取りましたか。
- 行動を決める際に意識したポイントは何ですか。
- 課題解決に向け、周囲へどのような働きかけをしましたか。
Result(結果)の質問例
STAR面接の最後のステップは「Result(結果)」に関する質問です。応募者が取った行動によってどのような結果が得られたのかを確認することで、成果に対する姿勢や評価軸を把握できます。
また、結果に満足した点や、理想には届かなかった部分をどう受け止めたかを掘り下げることで、自己成長意欲や改善に向けた学習姿勢も明らかになります。単に成果の有無だけでなく、その過程から何を学び、次にどう活かそうとしたのかを聞きましょう。
【質問例】
- その行動の結果はどのようなものでしたか。
- 結果を受けて自分は何を感じましたか。
- 振り返って改善すべき点はありますか。
STAR面接の効果を最大化する実践ポイント
STAR面接の効果を最大化する実践ポイントは以下の通りです。
- 採用ターゲットを具体化する
- 面接で重視する評価項目を整理する
- 感想ではなく実際の出来事に焦点を当てる
- 圧力をかけず自然に話せる場を提供する
それぞれのポイントについて解説します。
採用ターゲットを具体化する
STAR面接を効果的に活用するには、まず採用ターゲットを具体化しましょう。
どのような人物を求めているのかは、募集職種によって大きく異なります。たとえば「顧客志向を持ち自律的に行動できる人材」や「新規事業に挑戦する探究心を持った人材」など、求める人物像を明確に定義しておくことで、質問設計にも一貫性が生まれます。
あらかじめ基準を定めておかなければ、面接官ごとに評価がばらつき、採用後のミスマッチにつながるリスクが高まるため、必ずターゲットを先に設定しておきましょう。
面接で重視する評価項目を整理する
STAR面接を実践的に活用するために、面接で見極めたい評価ポイントを明確に洗い出しましょう。職種ごとに求められるスキルや行動特性は異なるため、期待する能力を要素ごとに整理する必要があります。
たとえば、営業職であれば「顧客折衝力」や「課題解決力」、エンジニアであれば「論理的思考」や「粘り強さ」などの評価基準を設定しましょう。基準を事前に言語化することで、同じ質問をしても評価がばらつかず、面接官間の判断軸が統一されます。
そのうえで、設定した評価項目に紐づく質問を準備することで、候補者の資質を効率的かつ正確に引き出せる面接が可能となります。
感想ではなく実際の出来事に焦点を当てる
応募者の過去の経験を掘り下げるために、事実に基づいた具体的な出来事を聞き出しましょう。意見や感想に終始してしまうと、主観的な要素ばかりが強調され、信頼できる情報を得られなくなるからです。
また、主観を深掘りしても再現性や適性を判断する材料にはなりにくく、結果として採用のミスマッチにつながるリスクが高まります。そのため、候補者の能力や価値観をより正確に把握できるよう、面接官は「そのとき何をしたか」と、行動を根拠に聞き出しましょう。
事実に焦点を当てる姿勢を徹底すれば、応募者の回答が抽象的にならず、具体的なスキルや強みを見極めやすくなります。
圧力をかけず自然に話せる場を提供する
STAR面接では過去の行動を具体的に掘り下げていく過程で、応募者が威圧的に感じてしまうことがあります。質問の意図は本質を知ることにありますが、面接官の態度が強過ぎると回答が表面的になり、真の姿を見極められなくなる可能性があります。
そのため、掘り下げ質問を行う際は、リアクションを適度に増やし、柔らかい口調を意識することが大切です。安心できる雰囲気をつくることで、応募者は自然に本音を語りやすくなります。
圧迫感を与えない姿勢こそ、STAR面接で最大限の効果を引き出すポイントです。
ABABAとREALMEで入社後のミスマッチを解決
入社後のミスマッチは早期離職や採用コストの増大につながるため、できるだけ避けるべき課題点です。そこで有効なのがSTAR面接です。
そして、ABABAを利用すれば、他社の最終面接まで進んだ学生に限定してアプローチできるため、求める人材像に近い候補者と効率的に出会えます。経験や適性がある程度保証されている層に狙いを定めることで、採用の再現性を高められます。
さらに、ビッグデータを活用したマッチングで採用の質を向上させたい場合にはREALMEがおすすめです。候補者の価値観や行動特性を分析し、組織文化との親和性を測定すると、入社後のギャップを最小限に抑えられます。
STAR面接と併用することで、採用精度を高めつつミスマッチを解消し、長期的に組織へ貢献できる人材を確保できるでしょう。