採用担当者が使えるAIプロンプト活用術。「忙しすぎる採用現場」を変える、明日からの一歩

本コーナーは株式会社ABABAの人事とエンジニアが制作したプロンプトです。
代表取締役 CEO 中井 達也

あなたの1日は、本当に「採用」に使えていますか?

求人票の作成に追われ、面接の質問を考え直して、候補者へのお礼メールを送りながら、また書類の山が積まれていく——。採用担当者の日常は、気づけば「作業」でほぼ埋まってしまっています。

本来、採用担当者がもっとも価値を発揮すべきは「人と向き合うこと」のはずです。候補者の本質を引き出す面接、自社の魅力を正しく伝えるコミュニケーション、入社後の活躍を見据えた戦略設計。しかしその時間は、日々の定型業務によって少しずつ奪われているのが現状ではないでしょうか。

この構造が、変わりつつあります。生成AI(ChatGPTやClaudeなど)の急速な普及が、採用現場の「当たり前」を書き換え始めているからです。

数字が示す「採用×AI」の現実

レバテックの調査(IT白書2025)によると、採用活動に生成AIを導入済みの企業は20.6%、導入を検討中の企業を合わせると56.9%がAI活用に前向きという結果が出ています。すでに「AIを使うかどうか」の議論ではなく、「どう使いこなすか」という段階に入りつつあります。

実際の削減効果も報告され始めています。サッポロホールディングスでは選考業務の40%削減、ソフトバンクでは70%削減という成果が出ており、ある人事担当者向け研修では、求人票の初稿作成時間が平均2時間から25分へ——約79%短縮——したという実績もあります。

とはいえ「AIって難しそう」「どこから手をつければいいか分からない」という声は多く聞かれます。実際、ある中堅メーカーの人事部向け研修では、開始5分で「応募者の個人情報をAIに入れていいのか判断できない」という不安の声が上がったといいます。

その気持ちはもっともです。だからこそ本稿では、**「今日から安心して使えるプロンプト」を厳選して5つ**ご紹介します。特別なツールも、専門知識も不要です。ChatGPTやClaudeを開いて、以下をコピー&ペーストするだけで始められます。

AIプロンプトを使う前に知っておきたい3つのルール

プロンプトを試す前に、安心して使うための基本ルールをご確認ください。

① 個人情報はAIに入力しない

候補者の氏名・住所・生年月日・履歴書の内容など、個人を特定できる情報はAIに入力しないことが原則です。プロンプト活用は「雛形・構成・たたき台の作成」に絞ることをお勧めします。

② AIの出力はあくまで「たたき台」

最終的な判断は必ず人間が行います。AIが作った文章は鵜呑みにせず、自社の実態と照らし合わせて編集・確認してから使用してください。

③ 具体的に伝えるほど精度が上がる

曖昧な指示では、ありきたりな回答しか返ってきません。職種・会社規模・ターゲット像などを具体的に入力するほど、実用的なアウトプットが得られます。

明日から使える!採用担当者向けプロンプト5選

▶ プロンプト①「求人票の初稿作成」

こんな悩みに
求人票を作るたびに何時間もかかってしまう。似たような票を何度も作り直している。

使い方のポイント
まずたたき台を出力してもらい、「もっとカジュアルなトーンに」「若手向けの表現に変えて」など追加指示で調整していくと、自社らしい求人票に仕上がります。

プロンプト

あなたは採用のプロです。以下の情報をもとに、求職者にとって魅力的な求人票を作成してください。

【入力情報】
・職種:○○(例:営業担当)
・雇用形態:○○(例:正社員)
・業務内容:○○(具体的に記載)
・必須スキル:○○
・歓迎スキル:○○
・給与:○○
・勤務地・勤務時間:○○
・福利厚生・制度:○○
・求める人物像:○○
・会社の特徴・強み:○○

【出力FMT】
・適切なサイトを分析し、踏襲する

【条件】
・応募意欲を高める表現を使う
・職種のターゲットに刺さるキャッチコピーを3案付ける
・読みやすく、500〜800字程度でまとめる

▶ プロンプト②「スカウトメールの個別化」

こんな悩みに
スカウトメールを大量に送っているが、返信率が低い。一人ひとりに合わせた文面を作る時間がない。

使い方のポイント
候補者の個人情報(氏名など)は除き、「経験年数・スキル傾向」などの属性情報のみを入力してください。返信率を上げるには「なぜあなたにスカウトしたのか」を具体的に伝えることが鍵であり、AIはそのロジックを整理するのが得意です。

プロンプト

あなたはダイレクトリクルーティングの専門家です。以下の情報をもとに、候補者の心に響くスカウトメールを作成してください。

【募集ポジション情報】
・職種:○○
・ポジションの魅力・やりがい:○○
・求める経験・スキル:○○
・企業の特徴:○○

【文面の表現】
・対象:新卒/中途○年目
・口調や表現:○○
・章の順序:(要更新)

【候補者のプロフィール概要(個人情報は除く)】
・経験年数・職種領域:○○
・保有スキル・強みと思われる点:○○
・現職の業種:○○

【条件】
・自社の魅力が伝わる文面にする
・候補者のキャリアとポジションの接点を明確に示す
・候補者プロフィールの具体は文面に反映せず、抽象的な表現に留める
・押しつけがましくなく、まず興味を持ってもらう文面にする
・600字以内でまとめる

▶ プロンプト③「面接質問の設計(過去への質問)」

こんな悩みに
面接官によって質問がバラバラで、評価基準が統一できていない。毎回同じ質問しか思い浮かばない。

使い方のポイント
「STAR形式」(Situation・Task・Action・Result)で過去の行動を深掘りする構造化面接の質問は、評価のブレを防ぐ効果があります。面接官の経験値に左右されにくい質問設計が、短時間で手に入ります。

プロンプト

あなたは構造化面接の専門家です。以下のポジションに適した面接質問リストを作成してください。

【ポジション情報】
・職種:○○
・等級/レベル:○○(例:メンバー、リーダー、マネージャー)
・重視するコンピテンシー:○○(例:問題解決力・主体性・チームワーク)

【出力形式】
各コンピテンシーにつき3問ずつ、以下の形式で出力:
1. 質問文(過去の具体的な経験を聞くSTAR形式)
2. この質問で確認したいこと(評価の着眼点)
3. 深掘り用のフォローアップ質問3つ

AIが変える採用担当者の仕事——奪われるのではなく、解放される

「AIに仕事を奪われるのでは?」という不安は根強く存在します。しかし、採用の現場で見えてくるのは、正反対の景色です。

AIが定型業務を担うことで、採用担当者は本来もっとも価値を発揮できる仕事——候補者一人ひとりの可能性を深く見極めること、自社の魅力を熱量を持って伝えること、入社後の活躍を共に描くこと——に、より多くの時間を使えるようになります。

採用は究極の「人対人」の仕事です。AIはその「人と向き合う時間」を守るために使うツールであると、ぜひ捉えていただければと思います。

まずは今日、プロンプト①の求人票作成だけ試してみてください。5分で「これは使える」という手応えが、きっと得られるはずです。

【ご注意】
生成AIへの候補者の個人情報(氏名・連絡先・履歴書の内容など)の入力は、個人情報保護の観点から原則お控えください。また、AIの出力はあくまで補助情報です。採用に関する最終判断は、必ず人が責任を持って行うようにしましょう。

2026年6月19日 筆